【在宅勤務】方眼ノートを使った「時間とお金の管理術」公開
私は、フリーランスで活動しているライターで、普段は在宅で仕事をしています。それゆえ、時間とお金の管理を自分でしっかり行う必要性に迫られたため、試行錯誤の末にこの方法を考え、実践しています。
今回は、その方法をみなさんにシェアします。
■ あえてアナログなことをする
紙のノートに手で書く
これから紹介する「時間とお金の管理術」は、下の画像のように、「方眼ノートに予定と結果を書き込む」というものです。1週間の「予定」を右ページに書き、実際にどのように時間を使ったかという「結果」を左に書くのです。
つまり、右ページに書いた「予定」を見ながら仕事を進め、左ページに「結果」を書き、この週に仕事がどのように進んだかをひと目でわかるようにするのです。
(ページの左右は「好み」なので、逆にしてもOKです)
こう書くと、「いまどき紙のノートに手書き?」と思う人もいるでしょう。
そう、このデジタル全盛の時代に、あえてアナログなことをするのです。
それは、デジタルよりもアナログのほうが直感的かつラクに時間やお金を管理できるからです。
デジタルよりも早い?
「いやいや、同じことはデジタルツールでもできるのでは?」と思う人もいるでしょう。たしかに、今はスケジュール管理をしてくれるスマホアプリや、iPadのような「ペンツールで書き込める」タブレット端末があります。
かく言う私も、それらのデジタルツールを使い、試してみました。
その結果、「紙のノートに手で書く」ほうが圧倒的に早く、情報を直感的、かつ思い通りに整理できることがわかりました。紙のノートを見開きにしたほうが、多くの情報を一度に見渡すことができるからです。
なお、見渡す情報の量を増やすなら、パソコンにつなぐモニター画面の数を増やすという方法もあります。ただし、紙のノートなら導入コストが低く、思う存分書き込めます。そして書くスペースがなくなったら、次のページをめくって書き続ければいいのです。
方眼ノートを使う理由
方眼ノートを使う理由は、次の2つです。
情報を整理しやすい
枠線に沿って、文字がきれいに書ける
■ 手順の紹介
それでは、方眼ノートの使い方を順番に説明します。
①用意するもの
まずは、次の2点を用意します。
5mm方眼ノート(A4)
水性ボールペン(超極細)
私の場合は、「エトランジェ・ディ・コスタリカ 方眼ノート」と「三菱鉛筆 シグノ超極細0.28黒」を使っています(2024年12月2日時点)。
「エトランジェ・ディ・コスタリカ 方眼ノート」は、中綴じであるため綴じ目が広げやすく、軽いので、持ち運びに便利で重宝してきました。
ただし、現在は入手が困難になっています。なぜならば、このノートの扱っていた企業(本社・広島県福山市)が2024年7月1日にすべての事業を停止したからで(出典:帝国データバンクの記事(2024年7月2日付)。
このため、現在私は、代わりになる方眼ノートを探しています。
「三菱鉛筆 シグノ超極細0.28黒」は、その名の通り「超極細」なので、幅5mmの枠線に沿って書きやすいです。また、線がにじみにくく、かすれにくいうえに、文字が裏写りしにくいという特長があります。
「シャープペンシル(鉛筆)」を使わない理由は、次の2つです。
「ペン」のほうが線がくっきりしており、紙の上でなめらかに動くので、文字がきれいに書ける
消せないゆえに「思考の跡」が残り、あとになって当時何を考えたか思い出しやすい
②太いペンで印を入れる
方眼ノートを使い始めるときは、太いペンで印となる基準線を入れます。これがあると、あとの作業が進めやすいからです。
私の場合は、下の写真のように、「上から5cm」のところに太いペンで印を入れています。太いペンを使うのは、単純に印が見やすいからです。
基準線を入れたのは、「ページの上に空白をつくった方が情報を整理しやすい」という、別の方のノウハウを参考にしたからです。
私の場合は、基準線の位置を上から5cmにしています。
ちなみに、マッキンゼーなどの外資系コンサルタント企業では、方眼ノートの愛用者が多いそうです(出典)。私はマッキンゼーで使われている手法を書籍で知り、それを参考にして、上から5cmの場所に基準線を設けました。
③左ページに1週間のカレンダーを貼る
方眼ノートを開いたら、まず右ページに1週間のカレンダーを貼ります。
このカレンダーは、月曜日はじまりで、自作したものです。
月曜日はじまりにしたのは、平日の概念をつかみやすいからです。在宅勤務をするフリーランスは、出社の必要がない代わり、仕事の日も休みの日も自宅にいるので、曜日感覚がつかみにくくなります。そこで、月曜日はじまりのカレンダーをつくり、土曜日と日曜日が連続で示されるようにして、「いつが平日か」をわかりやすくしたのです。
自作したのは、カレンダーのほかに、時間やお金を管理する欄をつくりたかったからです。
私の場合は、以下のような月曜日始まりのカレンダーを自作しています。これは、Adobe Illustratorで自作し、紙に印刷したものです。もちろん、MicrosoftのWordやExcelなどの身近なソフトの枠線機能を使えば、誰でも同じようなカレンダーを自作することができます。
このカレンダーのポイントは、以下の3点です。
平日の部分を黄色にする
顧客の会社や仕事の種類を、アルファベットで示す
銀行残高や入金予定を記入できるようにする
つまり、1週間の予定だけでなく、お金のやりくりをひと目でわかるようにするのです。
カレンダーは、裏面にノリを塗り、方眼ノートの右ページに貼ります。このときは、カレンダーの上辺が、先ほど付けた印の近くに位置するように貼ります。印の上のスペースは、重要事項などを書き込めるように空けておきます。
貼ったカレンダーには、1週間の予定や、お金に関する情報を書き込みます。
予定に関しては、「Aの仕事はここまで」、「Eの仕事はここまで」などと矢印をつけて書き、期限や、同時並行で進める仕事、打ち合わせ時期などがひと目でわかるようにします。
お金の情報については、「銀行残高(今あるお金)」と「入金予定(これから入るお金)」を分けて書きます。銀行残高は、スマートフォンのアプリを使って確認し、月曜日に記入します。記入するお金の最小単位は、0.1万円です。
すると、仕事の期間・期限や、お金の流れが、ひと目でわかるようになります。
とくにフリーランスの方にとっては、お金の流れが毎週確認できると、安心して仕事に集中しやすくなります。フリーランスは収入が不安定なので、生活防衛資金として一定額以上の貯金が必要です。このため、カレンダーに書いた銀行残高の合計金額を見ると、「まだこれだけお金が残っている」とわかり、それだけで気が楽になります。
④左ページに仕事をした時間を正直に書く
いっぽう、左ページには、実際に仕事をした時間などを書きます。
ここでも、太いペンで書いた印を基準にします。
印の上には、月曜日の日付と、今週の重要事項(期限、打ち合わせの日時など)を書きます。上の画像の「12/2」は、この週の月曜日が「12月2日」であることを示しています。これは、あとでノートを読み返すときの「目次」のようなものです。
いっぽう、印の下には、各曜日の日付を書き、「何時から何時まで何をしたか」を「正直に」書きます。ここでわざわざ「正直に」と書いたのは、休憩や、仕事に関係ない外出もふくめて記録を残すためです。
自宅で毎日規則正しく働くには、仕事をする時間帯として、ビジネスタイムをあらかじめ決める必要があります。
私の場合は、平日の「7:30〜12:00」と「14:00〜18:00」をビジネスタイムとしています。また、オフィスと環境を近づけるために、パソコンの機能を使って始業・終業の時刻にチャイムを鳴らしています。18:00以降に仕事をすることは、基本的にありません。
ただし、実際はこの通りになりません。
このため、私は「ビジネスタイムに仕事から離れてもOK」としています。あまりガチガチに時間を管理しすぎると、心理的負担が増え、かえって仕事が進まなくなるからです。
その代わり、「何時から何時まで休憩などで仕事から離れた」と方眼ノートに書きます。それを見ると、「その分を別の時間で補おう」と考え、集中力が増すからです。
私は、ビジネスタイムの一部でウォーキングなどの運動をすることもあります。運動をすると、気分転換になるだけでなく、その直後に頭の回転が速くなるので、仕事を進める推進力になると感じています。
なお、1日の予定は、6行(高さ3cm)以内に書きます。これ以上書くと、土・日曜日をふくむ各曜日の記録がA4の左ページに収まらないからです。
⑤空白はそのままにしておく
以上が、私が使っている「方眼ノートを使ったお金と時間管理術」です。
実際にやってみると、右ページの「予定」と、左ページの「結果」を、見開きで確認できるので、その週に仕事がどのように進んだかがひと目でわかるようになります。
なお、この手法では、ノートに多くの空白ができます。私はそれを気にせず、そのままにしています。
むしろ空白があったほうが全体が見やすいからです。また、空白は、次週以降の予定や、優先事項のToDoリスト、思いついたアイデアなどを書く、もしくは付箋を貼るフリースペースとしても使えます。
ビジネスパーソンのなかには、締め切りなどの重要な情報を付箋に書き、それをパソコンのモニター画面の縁に貼る人がいます。これは、やりすぎると付箋の数が増え、どれが重要な情報がわかりにくくなるという弱点があります。
そこで私は、重要な情報を書いた付箋を、方眼ノートの空白に貼っています。枠線に沿ってきれいに貼れるからです。また、優先度が高い付箋を左、低い付箋を右にすこしずつずらして貼ると、優先順位がひと目でわかります。
また、空白にメモ書きをすることも多々あります。下の写真のように、矢印や下線を追加すると、書いたときの思考の流れがそのまま残るので、あとで見返したときに、当時の思考の流れを思い出くなります。
どうです? 直感的にわかりやすくありませんか?
これが一瞬でできるのが、アナログの最大の強みだと私は感じています。
■ おわりに
私は、今回紹介した手法を使うようになってから、仕事の効率が上がるとともに、必要以上に疲れることが減りました。また、フリーランス生活を続けるうえで重要なお金の管理も、効率よくできるようになりました。
この手法は、方眼ノート1冊とボールペン1本で始められるので、あまりお金がかかりません。
みなさまにとって、時間やお金の管理法の一例として、ご参考になれば幸いです。