随想│強欲に、内なる声にしたがって
空や雲が高くなって、やや涼しくなった。ぼくは人とうまく話せなくなった。きっと、ことあるごとに「〇〇 類語」と検索してしまう悪癖がそうさせたのだろう。あるひとつの思いを説明するのに、いくつかの言葉が思いうかぶが、そのどれもが本来の思いと微妙に乖離し、ふわふわと上滑りしている。自然、口をつぐみたくなる。中途半端な言葉。正しくない言葉。凡庸な言葉。どれもその言葉をつかう人の魂を汚くするような気がするから。そして、その汚れは、けっして拭き取れない、不可逆なもの。ぼくたちは、言葉を紡