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展覧会『髙田賢三 夢をかける』 描いて 掛けて 翔けた ひと。

会期終了が迫っている、髙田賢三の回顧展へ行ってきた。
オペラシティに行くのは、去年の川内倫子展以来かぁと思ったら、それは一昨年だった。
もう2年も経ったのか…と、ちょっとガクブル。


KENZOは、民族衣装っぽいテイストや、刺繍、色の組み合わせが好きなブランドだった。と言っても、多くを語れるほど詳しくはなく、古着を1着持っているだけ。
でも、なんか可愛いのないかな〜って古着を探しているとき、KENZOの服はよく目に留まっていたし、それは今でも変わらずだ。

2020年に亡くなった、髙田賢三さん。
追悼と敬意を込めて、KENZOを着て行く以外の選択肢なし!
残暑が厳しい日にはあまり向かない服だけど、唯一のKENZOを身に纏い、いざ、回顧展へ!



【概念を覆す】

1982-1983年 秋冬

一番楽しみにしていた、リボンのドレス。
なんという可愛いさ…!!
髙田さんが約20年間集めたリボンを使用しているらしい。これをウェディングドレスとして発表したのだから、たまらない。
裏地の色をビビッドなピンクにしているところも、最高すぎる。スカートは、段によってリボンの配置を絶妙に変えている拘りよう。
縫製のことを考えると気が遠くなるが、まるで布のように端正に紡がれたリボンの連なりは、ため息が出るほど美しく、ニヤけてしまうほど可愛かった。

パネルで展示されていた、この写真。
ショー本番直前の様子なのかどうかは分からないが、山口小夜子さんの凛とした佇まいの中に、ほんの少し、あどけなさを感じる。
華やかなドレスと小夜子さんの表情が醸し出す、妖麗な雰囲気。
フィルムの質感と写真の構図も好み。
まさに「瞬間」を切り取ったような、写真の醍醐味も感じる一枚だった。

【木綿の詩人】

1976年 春夏

“農家のおばあちゃん”みたいな木綿の生地を、ドレスに仕立てあげる発想力。
既成概念や固定観念を、ひょいとひっくり返して、見事に成立させるデザイン力も素晴らしい。
苦悩して生み出した、というよりも、和洋折衷の可能性と湧き出るアイデアの具現化を、にまにま楽しんでいたのかなぁと想像してしまう。
そんな軽やかさを、木綿シリーズから感じた。
(生地の物質的な重さは置いておいて)


【柄×柄】

1976年 春夏/右の画像は公式HPより

THE 和!な柄や、着物のテイストを取り入れたブラウスとスカート。
同じ色味で、全く異なる柄を組み合わせる。
なるほど、面白い。
縦縞にプリーツを施すことで生まれた立体感が、いいアクセントになっている。

1984-1985年 秋冬/左の画像は公式HPより

花柄、幾何柄、チェック、ストライプ。
一着の中に複数の柄を融合させる、このバランス感、すごい。すごいとしか言えない・・・。
スタイリングも秀逸。
一つ一つの色がまた、綺麗なんだよなぁホントに。
髙田さんが「色の魔術師」と称されていたのがよく分かる。







ハリと光沢×大きめのチェック×配色×シルエット

”可愛い”がすぎるんです…♨︎…1977-1978年 秋冬


一体何色使ってるの!?
なんで混沌とせずこんなにも可愛いの!?

ここは色彩の天国です💫  1981-1982年 秋冬


ʕ•
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1979-1980年 秋冬




展覧会は1時間ほどで観終わった。
正直なところ、満ち足りない…!腹7分といった感じ。
もっと、髙田賢三を浴びたかった…!!

もちろん、オペラシティのキャパに収まりきらないことは分かっている。
これはただの、わがままな欲。
髙田さんの生涯をとても分かりやすく辿れる展覧会だった。
欲が出てしまうのは、内容が良かったから!なのだ。
もっと細かなところまで知りたくなる、観たくなる。
そんな展覧会でございましたʕ•ᴥ•ʔ


オペラシティから代々木八幡へ向かう道中に
見つけた、かわゆいもの。


おわり


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