
ひとこと、聞けば良かった。でも、聞きづらいんだなぁ。
ちょっと教えてください。
たったこれだけ。
文字通り、「ちょっと」。
たったひとこと。
でも、なかなか出来ないんです、これが。
若手のころ、仕事で分からないことがあり、先輩に聞こうとしました。
でも、先輩は忙しそう。
つまらない質問をしたら、
「そんな簡単なことも知らないの?
忙しいのに、手間をかけさせるなよ。」
そんな風に思われるんじゃないか。
いやだいやだ。
わざわざ傷つきに行くことはない。
聞かなくてもなんとかなるんじゃないか。
そうだ、たぶん私の考えは正しい。
うん、正しいにちがいない。
えい、やってみよう。
あれ、おかしいな。
こうなったら仕方ない、聞くしかない。
すみません、うまくいかないんですが…
すると、
「なぜ聞かずにやるんだ!
こんなミス、ダメじゃないか!!
報連相が大事って言っただろ!」
と先輩をカンカンに怒らせてしまいました。
怒らせただけでなく、私のミスで余計な手間をかけさせてしまいました。
結果的に言われたくなかった
「そんな簡単なことも知らないの?
忙しいのに、手間をかけさせるなよ。」
を、現実のものにしてしまいました。
聞くは一時の恥と言います。
聞くのはコワいけど、不安だけど、気が向かないけど。
それでも、聞かずにミスによって受けるダメージの方が遥かに大きいのです。
たとえ、聞いた相手からイヤミを言われても、あなたが受けるトータルのダメージは小さく済むのです。
タイムマシンがあれば、先輩に叱られる日の前日くらいに行って、昔の自分にアドバイスしてあげたい。
未来の自分がアドバイスしても、若き日のカツオは「気が重いわ〜」とか言って、聞かないのかもしれないけれど。
ちょっと教えてください。
この「ちょっと」が、解決の足がかりになる大きな一歩なのです。
ベテランになるほど、心の殻が分厚くなって聞きにくくなるから、多少恥をかいても、若いときから心の殻を破っといた方が良いのです。
以上、分からないときは、勇気を振り絞って聞いた方が良いですよ、というお話でした。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。