【読書ノート】チョンキンマンションのボスは知っている(アングラ経済の人類学)

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⑴この本を買った理由、読む目的

まず元旅人なら”チョンキンマンション(重慶大厦)”という文字が目に触れただけで、あの信号前にある異質なオーラを放つ建物が即座に脳裏に浮かぶ。香港の繁華街ど真ん中にそびえ立つチョンキンマンションには安宿、両替所、SIMカード販売所、看板のないレストランがぎゅうぎゅうに詰まっている。その情報だけで超そそられるのに、この本はボスの話ときた。「アングラ経済の人類学」とタグラインがあるが、そこはあまり期待せず冒険記を読むぐらいのテンションで読んでみた。

⑵この本を3行で表すと?

重慶大厦に住み続ける出稼ぎタンザニア人に密着取材し、彼らのインフォーマル経済を解説している本。著者が立命館大学大学院先端総合学術研究科(どんな研究科?)の教授であり、真面目にタンザニア人の生活、仕事、思考を解き明かしている。

⑶この本で感動した事は?

旅中たしかに、香港だけでなく中国やマレーシアなど東南アジアにたむろしているアフリカ系の方達をよく見かけた。彼らは、海外でよく見かけるチャイナタウンやコリアタウン、日本人街のような、その場に腰を下ろし地域密着の仕事をしているような感じではない。ただただ集まってタムろしているのだ。いつも何をしているのかと思っていたが、この本で全ての謎は解けた。国に仕送りするために、あの手この手(合法、違法問わず)で、その地域にアフリカ人としての特徴を出しながら、のらりくらりと富を築いていた。この本では「のらりくらり感」を言語化しているのだ。のらりくらりのノウハウが詰まっていて感銘を受けました(笑)
のらりくらり危ない橋を渡りつつ、騙し騙され生き抜いて、何故か信用を勝ち取り富も築く方法が詰まっています。


⑷どんな方にオススメ?

*中小・零細・フリーランスで起業する方、している方。
*働くことや稼ぐことの先入観を捨てたい、覆したい方。

⑸この本で自分が成長できたことは?

心理学だよね。わざと騙されてあげることも大事。
言うことを聞きすぎないことも大事。
くだらない情報をひたすら集めて発信することも大事。
SNS時代の偽セルフブランディングを知れた。

⑹メモor「自分が気に入った一文」

「日本人は真面目で朝から晩までよく働く。香港人も働き者だが彼らは儲けが少ないことに怒り、日本人は真面目に働かないことに怒る。少しでも遅刻したり怠けたりズルをすると日本人の信用を失う。アジア人の中で一番優しいけど、心の中では怒っていて、ある日突然、我慢の限界が来てキレる。日本人は働いて真面目であることが、金儲けよりも人生の楽しみよりも大事であるかのように語る。だから俺たち(タンザニア人)が、子供が五人も六人もいて、奥さも六人いてとか、1日1時間しか働かないと言うと、そんなのおかしいと怒り出す。
アフリカ人は貧しいのだから一生懸命働かないといけない!とか。アフリカ人(他人)がアジアで楽しんでたり、大金を持っていたり、平穏に暮らしていると胡散臭いことをしていると疑われる。」

非常に示唆に富んだ話だと思う。



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