無職男と時給870円女子の起業物語【第1話:火傷しない商売のルール】
「ひどくない?東京都の最低賃金て880円なんだって!」
駅のポスターで知ったらしい。麻美(アサミ)は文句をこぼしてきた。
愚痴る彼女は当時27歳。都心で複数店舗展開している中堅の古着屋でアルバイトをしていた。場所は杉並区高円寺、時給は870円。最低賃金を10円下回っていた。
しかも会社側が社保を負担しなくて良いギリギリの労働時間にシフトを制限されつつの最低賃金割れ。
今なら炎上しそうだが2014年当時はこんなんでも運営されていた会社がゴロゴロあった。
それでも麻美はいつか自分