大学生が飲食店の店長をして何をしてきたのか。
502日。
これは僕が大学生をしながら『店長』という立場のお仕事を携わらせて頂いた日から今日に至るまで日数です。
そして、5月いっぱいで僕のこのお店の店長という立場から降りることになります。
なのでせっかく『502日間』も学生をしながら店長をしてきたので、後任の為にも、ちょっと店長って何をしているのか興味ある人の為にも感覚ではなく言葉として記事に残していきたいと思い今日は文字を起こしています。(多分、長いです)
店長になった経緯
2020年の1月1日から僕は川崎のロックヒルズガーデンという屋上グランピングBBQ場の店長に就任しました。
よく、『どうやって学生なのに店長になれたのですが?』と聞かれますがその答えは至ってシンプルで川崎の店舗を運営している会社の社長に『やらせてください!』と言っただけです。(本当にシンプルでしょ)
今まで会話した数は一回だけ。
しかも本を借りますという事後報告の連絡しか社長にはしていませんでした。(急に知らない人に友達になってって言ってるようなものです)
そして、自己紹介をしていきなり告白みたいな急展開な流れでやりたい『想い』を伝えた結果今に至ります。(ほんと、言ってみるもんだね)
世の中には優秀な学生が数多く存在する中、社長はこんな凡人大学生の石川君を店長に就任させたなと今でも思います。
残念ながら、店長になったからといって高い野望を抱いていた訳ではありません。(才能も野望もなく残念すぎるなコイツ)
起業したい!
就活に有利に使いたい!
社会貢献したい!
という立派な動機が当時の僕にあれば良かったのですが、ごめんなさい。
僕は店長というお仕事をやってみたかっただけなんです。
やりたかったらやったと書くともっと分かりやすいかもしれません。
下心しかなくてすいません。(韻踏んでます)
店長の仕事は何ををするのか
さて、店長とはどんな事をお仕事にしているのかと言うと
『マネジメント』業務になります。
マネジメント業務とは簡単に言うと
企業利益を生み出すために、与えられた『経営資源(ヒト、モノ、カネ)』を上手くやりくりする方法論
を考えることが店長のお仕事になります。
※マネジメント職に職に勤められている方はこの本は読みやすくてオススメです。
僕のお店には会社から『年間でこのぐらい売上を達成してくださいね!』という目標(ゴール)が与えられます。
その目標を店長は分解してどうやったら売上を達成できるのかを考えて施策を売っていくのが店長のお仕事になります。
店長というお仕事は前途したヒト、モノ、カネの3つの視点を持ち合わせていないと頭が混乱してしまいます。
例えば、『年間5000万円お店で達成してくださいね!』という大目標が立てられたとします。それと同時に今月の売上から予想して月次の売上目標も提示されます。
そして、その月次の目標が今月は300万円だったとします。
その月の目標を達成するために店長は与えられた環境、条件で達成できるまでの目標を考えなければいけません。
利益を出すために今月は10%人件費を下げないといけない(カネ)
従業員のスキルレベルが平均して3%足りてないから教育しないといけない(ヒト)
リピーターが少ないから今一度衛生管理に気を遣って衛生管理レベルを5にしよう!(モノ)
このように売上を達成するために考えられる目標(プロセス)は店長に力量によって数多く存在します。
そもそも売上に現状届きそうにない場合はその原因を突き止めないといけないですし、売上に達成していたら目標に届かなかった月の売上を回収する施策をうたないといけません。
ここで大切なのは自分で立てた仮説をきちんと期限内に回すことです。
店長の仕事は目標達成の為のプロセスを考えないといけません。
なので、考えれば考えるほどそのプロセスは思いついてしまいます。
店長として優秀な条件はいかに与えられた期限内で仮説を出して結果を出せるかです。
仮説の完成度は問われていません。
PDCAを『回し切る』ことが大事なのです。
売上がいかなかったからといって、前月は新規のお客様が10%増加していて〜と過去の分析をし続けていたら本当にキリがありません。
僕はそのことに気づけたのが最近でいつも『結果』ばかり分析している日々でした。
『結果』とはは即ち過去の出来事なので、いつも過去の分析をしては未来の仮説を立てることができず、その悪魔のサイクルから抜け出せずにいました。
つまり、僕のお店は従業員が17名ほど在籍してくれていますがこの数字は17名以上必要となるほどの予約を増やせていないという僕の実力不足とも言えます。
石川勝巳店長が予約を増やす施策、シフトを増やすために客単価を上げる施策をうててないが為に従業員を増やせないでいます。(一旦、増やさないかどうかは置いてといて)
店長の実力はどこで分かるかと言われるとお店を見たら全て反映されているのです。
このように店長とは与えられた『経営資源(ヒト、モノ、カネ)』を期限内に目標を立てて結果を出さないといけないお仕事なのです。
店長をやってみて
僕は以前、スポーツショップでアルバイトをしていた時にマネージャーという立場の人達が体を動かさないでずっとPCの前に座っている姿を見て不満だったことを今でも覚えています。
僕は正直に『〇〇さん座ってないで体動かしてくださいよ〜』って冗談交じりで言っていました。(たぶん、僕は失礼な人だと思います)
今こうして自分が店長(マネージャー)をやってみて『〇〇さん、現場に立たなくて良いから座っててください!』って言うと思います。うん、絶対言うと思います。
だってあの時、〇〇さんがしていたのは働く人も、お客様も幸せになれるように『考えていた』のですから。
従業員のボーナスが払えるように売上をどうしようか考えたり、より多くのお客様が満足した物を購入できるように、時流にあった商品を店舗に置けるようにしたりと、
全ては『考える』人がいて『目標』を作ってくれるから日々現場がアップデートされていきます。
2020年新型コロナウイルスで飲食店が大打撃を受けた年の中に僕みたいな飲食店業界の中でも圧倒的に店長能力が低い僕が就任しました。
そして、売上を報告する会議で
来月は現状だと売上いかないと思います。
今月は売上達成できませんでした。
今月も売上達成しませんでした。
と何度も何度も『結果』が出ない日々が続きました。
その度に
『このお店はもっと優秀な人が運営すれば上手く行くんだろうな』
と心が折れそうになりました。というか1回折れました。
お客様がいない。こない。でも呼べない(コロナで)
そんな地獄のような日々があったからこそ、窮地に立たされたからこそ僕は現実に目を背けずに『考えよう』と思ったんだと思います。
だって『考えない』と生き残れなかったから。
決して自分だけの実力ではありませんが、今日、ここまで僕がお店を運営してきたお店がまだ残っていて今日もお客様に使われていることを大変誇りに思います。
そして、働いてくれる従業員がいる事にも感謝しています。
あ、言い忘れていましたが僕のお店は学生だけで運営している職場なので従業員はみんな舐め腐っています。
でも、昨年のコロナ禍で1人で奮闘していた時の事を考えるとこうして舐めくさってくる従業員がいる時点でなんだか胸がほっこりとします。
段々と職場のチームや雰囲気が出来上がりつつある状態が整ったので僕は次のステージにいこうかなと思います。
頼りになる後輩達に大好きなお店を託して。
それにしても、僕が行く環境はいつも1人からなんだよなぁ。