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覚えてくれてただけで嬉しいという話

先日とあるセミナーに参加をしてきた。
セミナー自体は夕方から始まって、2時間ほどあれやこれやした後に参加者同士の座談会というか、フリートークの場が設けられているような、わりと定番のやつ。

私は、そういう自由に話してくださいの場が苦手である。いい年して何言ってんだ?と言われそうだけれど、初対面の人にゴリゴリと話に行くのに抵抗感を感じてしまう。

そんなわけで、なんとも居場所がないような感じでどうしようかと思っていたら、1人の女性が話しかけてくれた。

「カトウさんですよね?」

その方は2年ほど前に別のセミナーでたまたま同じグループに振り分けられれた方だった。

とても綺麗な方だったので、強く印象が残っていたので、話しかけられたときに私はすぐに思い出した。それと同時に、何でこの人は自分のことを覚えているのだろう??とも感じた。覚えていてくれて嬉しいという気持ちもあったけれど。

「よく覚えてますね」

2年前のセミナーでのグループディスカッションでの私の発言が、何かいい感じだったらしく、彼女の記憶に引っかかっていたらしい。


このように、1度か2度会ったことがある人だったとしても、私の方から話しかけることが出来ない。これはただのチキンなのかもしれないが、恐らく幼いころのある出来事に小さなトラウマに原因があると思っている。


その出来事というのは、
小学校のクラスにある転校生の友人(タカシ)がいた。私とタカシはとても仲がよくてしょっちゅう一緒に遊んだりしていたのだけれど、ある時、そのタカシが元居た学校の友達も一緒に遊ぼうということになった。友人曰く、元居た学校に私のことを知っている人がいるという。

そして、私、転校生、転校生の元居た学校の友達(アキラ)で遊ぶ日がやってきた。
アキラは会うなり私に向かって「カトウ元気か~??」と、すごく親しげに話しかけてくる。
しかし、残念ながら私は全くアキラのことを覚えていない。色々話を聞いても、全く記憶にないし、思い出すことが出来ない。アキラは「何で覚えてないんだよー」と。

この出来事から、どちらか一方が覚えていても、もう一方が完全に忘れ去ってしまっていることがある、そんな事実が私の脳裏に強烈に刻み込まれた。

だから、私は昔少し接点があっただけのような薄いつながりの人に話しかけるときに「忘れ去られていたらどうしよう。変な人だと思われるかもしれない」などと考えてしまい、話しかけることを躊躇してしまうことが度々ある。

・・・と、ここまで書いて気が付いた。
要するに自分が恥をかきたくないし、寂しい思いをしたくないだけなんだな。

ちっさ!!!

よし、今度から知っている人には自分から話しかけるようにしよう。
忘れていたら「じゃあ初めましてですね」でいこう。
今回もそうだけど、誰かに知ってもらえている、覚えてもらえているというのは、それだけで嬉しいことなのかもしれない。



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