君にとっては花
君は正しさ、みたいなものをなるべく遠くに置いておこうとする。作為に純粋さが宿ることはなくて、何かを望んだその跡を嗅ぎ取っている。明確な基準とか区別とかがあるわけでないことを、君は知ってる。私がつい立ち止まってしまうあれこれを、君が花だと言った時から、針が刺さったその時から、手の届く範囲がわからなくなった。開いてしまった。雲が見つからない空を見て、思い出したことが頬を伝っていく。何度も見た筈なのに、漣だった君が質す。「なんでないてるの」その理由を声にすることができずにいる。
君は正しさ、みたいなものをなるべく遠くに置いておこうとする。作為に純粋さが宿ることはなくて、何かを望んだその跡を嗅ぎ取っている。明確な基準とか区別とかがあるわけでないことを、君は知ってる。私がつい立ち止まってしまうあれこれを、君が花だと言った時から、針が刺さったその時から、手の届く範囲がわからなくなった。開いてしまった。雲が見つからない空を見て、思い出したことが頬を伝っていく。何度も見た筈なのに、漣だった君が質す。「なんでないてるの」その理由を声にすることができずにいる。