【イベント参加レポート no.1】燕三条 工場の祭典 2023 トークショー「クリエイティブを活用した事業づくり」
こんにちは。野口悟です。
10月26日に、燕三条地域で開催されている「燕三条 工場の祭典」というイベントのトークショーに参加してきました。
今回の学び・気づきの体験をまとめます。
1.参加する前に
(1)参加の経緯
今回このトークショーに参加した経緯について。一番大きいきっかけは、「宿題」です。
現在、私はInquiry合同会社主催の「ローカルベンチャーシップin新潟」という事業に参加しています。事業の内容について、代表の山本一輝さん(Inquiry合同会社CEO)の言葉をお借りして説明すると、
というものになります。
事業の詳細な内容については、ぜひ山本さんのnote記事をご覧ください。
事業の中で、私はベンチャーバディとしてザツダン株式会社とタッグを組み、ザツダン株式会社の新規事業に伴走しています。
そして、ある日のミーティング中、ザツダン株式会社代表の横田さん(代表取締役)からいただいた宿題が、「『燕三条 工場の祭典』のトークショーのうち、どれかに参加してレポートをつくろう」というものでした。
(2)「燕三条 工場の祭典(KOUBA NO SAITEN)」とは
「燕三条 工場の祭典」というイベント自体は、昨年から知っていました。もともと地方公務員を目指していた時期があって、新潟県は燕三条地域を中心に工業が盛んということで、製造業が盛んな地域の魅力を伝える「オープンファクトリー(地域一体型工場見学会)」という取り組みに興味を持っていました。特定の地域内の工場で工場見学を開催し、地域のモノづくりの魅力を発信しようというものです。
「燕三条 工場の祭典」も、このオープンファクトリーを通じて燕三条地域の製造業の魅力を世界に発信するイベントで、せっかく新潟でもやっているのだから、いつか参加してみたいなあと感じていたところです。昨年から参加する機会をうかがっていた中で、横田さんからまさに運命のような宿題をもらい、トークショーにて参加をすることになりました。
この「オープンファクトリー」という取り組みについては、燕三条だけでなく、日本各地の製造業が盛んな地域で行われています。
新潟県の隣県では、福島県や山形県などで行われているようです。
2.参加していて
(1)トークショー概要
さて、前置きが長くなりましたが、トークショーについてです。トークショータイトルは、「クリエイティブを活用した事業づくり」。事業におけるクリエイティブの活用方法や、事業とデザイン、経営者とデザイナーの関係性について、お金の話まで踏み込んでリアルを語るという内容。他にもトークショーは企画されていたのですが、個人的にクリエイティブ関係に興味があるので、こちらに参加することにしました。
登壇者の方は、
堀田将矢さん(堀田カーペット株式会社 代表取締役社長)
内田徹さん(株式会社漆琳堂 代表取締役)
米津雄介さん(THE株式会社 代表取締役/プロダクトマネージャー)
の御三方です。
今回のトーク内容についてはまだまだ勉強不足で、内容の全てを網羅できてはいないのですが、トークショーの概要については以下の通り。
・デザイン、ブランディングに力を入れた経緯
・クリエイティブを取り入れる上での苦労
・クリエイティブを活用した事業のリアル(デザイナーとのコミュニケーション、お金の話、成功例と失敗例)
そして、今回の会場になったのは、JR燕三条駅2階の「燕三条 こうばの窓口」。燕三条地域の事業者に依頼をしたい方と、燕三条地域の事業者をつなぐハブ拠点となっている場所です。
(2)印象的だった言葉「見えないものに手を出そう」
クリエイティブ領域について、完全な初心者の私にとって最も印象的だったのは、米津さんの「見えないものに手を出そう」というご意見。
「他者製品との差別化という点で、例えば原材料の質を上げるといった『見えるもの』についてはみんなが手を出す。だけど、みんなが手を出すということは、それはコモディティ化するということ。だからこそ、『デザインやブランディングといった目に見えない部分にお金をかけることで、他者製品との差別化を図る』という視点が大事。」
クリエイティブにお金をかける大きな理由の一つだなぁと感じました。とはいえ、
「なら他社がやってなければなんでもかんでもやっていいのか」
という話になると、実はそういうわけでもないと思っていて、、、。
これ以降も、もう少しクリエイティブにお金をかける意義について勉強したいと思った次第です。
3.参加してみて
最後に、本イベントとは関係ないことになってしまうかもしれませんが、参加した感想をいくつか記して終わりにします。
(1)あぁ、やっぱり対話なんだ。
トークショーの中で、クリエイティブを取り入れた事業の失敗例について話していたときに、堀田さんと内田さんからご自身の失敗談をご紹介いただく中で「デザイナーへの依頼の具体性」が論点になりました。「事業の目的、撤退ライン、経営者の持つ価値観について、デザイナーと共有し、対話を深めながら協働をすすめていくべきだよね」ということでした。
私自身、人との対話・コミュニケーションの重要性については、これまでの学生生活を通して強く実感しました。また、人との対話の重要性が大事だと言うことは簡単でも、日常の会話に落とし込み、目前の人と丁寧に対話していくことは難しいということも、これまでの学生生活から得た大きな学びです。今回のトークショーで、「あぁ、本当に対話って大事なんだな。」と改めて実感できたのは、とてもありがたいなあと思っています。
(2)現地で話を聞くということ
こうしたトークイベントにはオンラインで参加したり、録画されたものを見たことは何度かありました(就職活動に関するものを除く)。今回初めて現地で参加しましたが、現地で話を聞くことはとても素敵だなと思いました。私と同じようにトークショーの内容に関心を持ち、クリエイティブについて学びたいという気持ちをもって参加した社会人の方々が近くに何十人もいて、私と同じ話を聞いているということ。これまで一人の学生で、しかもオンラインでしか参加していなかった私には、まったく体験できなかった空間でした。しかも社会人の方々は当然仕事を終えてからこのトークショーに参加していて、、なんだかアツくなりました。まだ正確にこの思いを言語化しきれていないのですが、「現地で話を聞くことに意味がある」ということを確信したトークショーになりました。私は来年4月から社会人になるのですが、今後もこうやって、社会で学び続けていきます。
(3)「わからなかったけど、わかりたい」という気持ち
トークショーの中で、経営に関する話、特にお金の話になったタイミングがありました。私には知識不足で、あまり内容を理解できませんでした。ですが、「いや、わかんねぇ~」と同時に思ったのは、「かっこいい」ということでした。議論の内容はたしかにわからなかったんです。ですが、
「こんな難しくてリアルな議論できてる登壇者も、話を理解できてる知識を持った周囲の社会人の方々も、かっこいい。自分もいつか、この人たちみたいに理解できるようになりたいな。」
と、ある種の憧れを覚えました。
これは、専門用語をだれでもわかりやすいようにかみ砕いて展開された話では、決して得られなかった感情だと思っています。
人に何かを説明するとき、私たちはよく、誰にでもわかる平易な言葉を使って、専門用語を省いて説明しようとします。ですが、
人が人から話を聞いて得られるときの感情として、「話を理解できた」という感動以外にも、「話はよく分からなかったけど、いつかわかりたいな」という憧れがあるのではないかと思いました。課題になっていること、話の内容について、より一層学びたい、わかるようになりたいと思わせてくれるような。そんな気持ちをくれることもあるのではないかと思いました。
むずかしいことを、あえて難しく伝えるということ。
いやいや、だれにでも伝わるように伝えること。
両者を意識して使い分けていきたいなと思いました。
4.おわりに
以上、長々とした参加レポートでした。燕三条地域のモノづくりに対する情熱を感じましたし、社会人になって、いつか仕事で燕三条地域に関わることができたらいいなと思ったイベントになりました。
最後までご覧いただきありがとうございました!