埋忠明真の九年母図鐔
以下のような「埋忠二字銘」の鐔の作者について調査する過程で埋忠明真の九年母鐔の存在を知ったのは今から1年程前、昭和53年に東京国立博物館で開催された「埋忠明寿とその周辺」という展示会資料を見て、である。
これに2点、明真の九年母鐔の作例が載っている。
この図録では白黒で載っているだけで色味が分からず、かつ銘を見ると明寿の「埋忠」の字になんとなく類似している様子も見て取れる。
以下は同じく上記の図録より転載した明寿による鐔。
そんな明真鐔の一つが今回東京国立博物館にて展示されるとの事で見てきた次第。
それが以下。
材質の明記は無いが、真鍮地と思われる。(九年母の実が素銅象嵌されていると思われるので素銅との色の違いが分かりやすい)
皺を目視する為に光の当たる角度で撮影したのが以下。
僅かに象嵌が地から盛り上がる点などは明寿の所作と似ているように思うが
明寿のような皺は見られない。
明寿の埋忠銘と比較すると埋忠の「忠」の字の7画目、8画目が明寿は繋がり「一」のようになるが、明真は離れて「い」のようになっているように見受けられる。
これは当初図録で見た際は摩耗により離れているか分からず実物を確認したかったわけであるが、どうやら実物を見る限り意図的に離れて彫られているようにも見える。
ここで手元にある埋忠二字銘の作と比較してみる。
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