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健全な刀の見分け方

以前下の記事で最初の1振りは在銘で健全な刀を買うべきという話を書きました。
これは鑑賞会などに愛刀を持って行った時に稀にいる「なんでこんな刀買ったの?」とわざわざ言ってくる「おせっかい人」を予防する効果もあると考えられます。

でも、そもそも健全な刀ってどんな刀の事をいうのでしょうか?
今回は刀のどこを見て健全さを判断するのか、について書きます。

因みに既に現代刀をお持ちの方は、最高の資料が手元にある事になります。
それを毎日手に取り観察する事で研ぎ減った刀を持った時に感覚で分かると思います。
健全とは「うぶ」とも呼ばれますが、つまり製作当時の形をしている刀の事をいいます。



日本刀は研ぎ減っているのが当たり前

そもそも日本刀は人を斬る為の道具です。
ですので使われて研ぎ減っているのは当たり前の事です。
それでも古い刀が多く現代に残っているのはそれだけ大切にされてきたという事です。

これを忘れて健全な古刀ばかりを探すと変な物を掴むリスクが高まります。古刀でものすごく健全な刀があった場合、新刀以降の刀を化けさせたのではないかとまず疑う所から始めた方が良いと聞く位、古刀(室町時代以前)の健全な刀というのは貴重です。
そして古刀の中でも健全に近い物は既に国宝や重要文化財、重要美術品、特別重要刀剣に指定されています。

新刀以降の時代になると戦が減るので、刀は使われなくなるため健全な刀が現代に至るまで多く残っています。

そのこともあり、日刀保の重要刀剣審査では、新刀であれば銘が無い刀(無銘)は不合格と言われるほどです。

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刀のどこを見れば健全って分かるの?

具体的に見るポイントがあります。

①茎
②鎬筋
③刃肉の厚み
④刃文の残り具合
⑤帽子の形
⑥棟
⑦彫り物
⑧重量

1.茎

茎は情報の塊です。茎の形、銘の有無、銘の位置、鑢目、目釘孔、錆び色、沢山の情報を含んでおり刀身と同じかそれ以上に見どころが多いです。
なので茎は項目ごとに説明します。

①茎形状と銘の位置

茎の形にはパターンがあります。下をご覧ください。

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