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2023年8月の記事一覧

重要刀装具の判断基準が難しい

重要刀装具の判断基準が難しい

そろそろ重要審査の申し込みが開始しますね。
刀装具の審査も刀と同様に保存、特別保存、重要、特別重要、と4種ありますが、特徴としては毎年の合格数が刀に比べて極端に少ない事が挙げられます。

概算ですが、毎年32点づつ位登録されていると仮定すると第1回から今までで大体2100点くらい重要指定を受けている事になります。
(あくまで概算ですので実際の数と異なります)
対して重要刀剣指定はこちらも概算ですが

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清磨は愛刀家の終着点?

清磨は愛刀家の終着点?

先日刀屋さんより興味深いお話を聞いた。
それが「源清磨が愛刀家の行きつく先」という話。

清磨と言えば幕末頃の刀工であるが、2尺3寸ほどの刀を買おうと思えば3000万円位は少なくとも用意しないと買えない。
脇差でも1000万円以上は必要。(※2024/11/14の時点でこの当時の金額から倍近く上がっている印象。つまり現在は刀であれば5000近くもしくはそれ以上するし、脇差でも2000近くする程に人

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ドキュメンタリー映画「日本刀の美」

ドキュメンタリー映画「日本刀の美」

「日本刀の美」と聞いて真っ先に思い出すのが、盛光堂さんのYoutubeチャンネルであり、次に思い出すのが年に1回のプレミアム刀剣展示即売会「日本刀の美」。
そんな折に現れた3つ目の「日本刀の美」はドキュメンタリー映画のようである。
同じタイトルが多くこのようなイベントがある事を最近まで気が付かなかったわけであるが、ちょうど今、本能寺大寶殿宝物館 特設会場にて行われているらしい。

①どんなイベント

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久々に銀座刀屋さん巡り

久々に銀座刀屋さん巡り

今日はコレクション情報さんの展示会があるということで朝から有楽町へ。

・コレクション情報さんの展示即売会場所は有楽町駅降りてすぐの東京交通会館地下1階ゴールドサロン。

会場後30分程でしたが既に多数お客さんがいらっしゃいました。
特に個人的に見惚れてしまったのは宝寿の4尺を超える大太刀。重ねは1cm以上ありそうに見えます。
生ぶで目釘孔1つ、古鞘には奉納刀の張り紙と鉄ハバキが付属。
茎仕立もと

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刀を複数持つ事で1振への愛着が増す、かもしれない

刀を複数持つ事で1振への愛着が増す、かもしれない

刀は本当に気に入った物が1振があれば良いと言う人がいる。
これは間違いではないと思う一方で刀を複数持った事がない人の理想論であるようにも思う。
一方、似たような話で「100振の安い刀よりも1振の名刀」とはよく言われるがこちらには同意する。
これは同じお金をかけるなら、1つにお金をまとめていたほうが相当に良い物が買えたし見る眼も上がる、それでいて刀の価値も下がりづらい、という意味から言われることであ

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祖父刀⑥ 研ぎへ

祖父刀⑥ 研ぎへ

祖父の形見の日本刀。
受け取った時は薄錆がかなり多く付いていたのですが、打ち粉に刀油を少し付けて拭っていたところ、幸い多くは取り除けました。
しかし物打ちあたりは深く錆が浸透しているところがあり、それはどうしても取り除く事が出来なかったので研ぎに出す事にしました。

以下の白くなっている部分。
割れのような疵部分と絡んで錆が付いているように見えます。

やはり祖父の刀なので一度綺麗な状態にしてあげ

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日本刀に関わる仕事の種類

日本刀に関わる仕事の種類

日本刀に関する仕事に就きたいと考えた時にどんなものがあるかまとめてみました。

①職人系真っ先に思いつくのはやはり日本刀作りに携わる職人ではないでしょうか。
主に以下があります。
因みにどの仕事も職人同士でのやり取りが必要なので、コミュ力は一定以上必要ですし、ひきこもりで誰とも接したくないから職人になる、という人は向いていないとはよく聞かれます。
どの職種もコンクールで何度も受賞するとなる事の出来

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ニッチな刀や刀装具は売りにくい

ニッチな刀や刀装具は売りにくい

ニッチな刀や刀装具は売りにくい。
この当たり前のことに本当の意味で気が付くには結構時間が掛かった。
新築みたいに、買った時が最高値である事の多い日本刀や刀装具は大体売る時に下がってしまうのが常だが、中でもニッチな物を高く買ってしまった時は絶望的に下がる事も覚悟した方が良いかもしれない。
例えばなかなか見ない珍しい鐔を20万で買って、この希少さゆえにその価格でも欲しい!と思ってはみたものの、いざ売る

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理想の愛刀家

理想の愛刀家

日本刀の鑑賞の仕方などを学べるマナー講座は最近全国各色々な所で行われている。
刀の鑑賞に限らず「マナー」という言葉は会社に入ってからマナー研修などのように頻繁に聞くような気もするが、それまではあまりこうした単語は人生において聞いてこなかったような気もする。
強いて日常でマナーという言葉が出てくるとしたら食事の時くらいだろうか。

ところで会社などのマナー研修(接客や電話応対など)は何の為にやるかと

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刀展示即売会情報(23年8月~9月)

刀展示即売会情報(23年8月~9月)

日本刀の展示即売会情報、最近更新するのを忘れてしまっていました。
という事で2023年8月~9月に開催される展示即売会の情報をまとめます。
お近くの方、刀や刀装具を探されている方、是非行かれてみてはいかがでしょうか。

尚、個人的にネット等で調べたものですので漏れもあるかと思います。
ご容赦下さい。
また、急な中止、変更の可能性もありますので事前にお店のHPなどをよくご覧になってから行かれるように

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私が思う刀の理想的な展示方法

私が思う刀の理想的な展示方法

大きな展示ケースに十分な余白を確保した上で刀を展示する。
私の中での刀の展示の理想系(一番刀が美しく見える展示)は以下であると思う。

詰め込むような展示ではない↓

更に言えば出来ればキャプションも黒にして、布も黒にして、刀身だけに意識が向くような展示が理想である。
黒は埃が目立つ…とか言われそうですが。
本当は布すらなくても良いのではないかと思っている。
上の画像を少し加工してみたが、以下のよ

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刀装具の好みの探求

刀装具の好みの探求

刀装具について何が好きかと問われて分からない状態が約2年程続いた。
刀装具といってもまだ手に出しているのは鐔と目貫、拵少し程度。
そんな中でどうしても、と手元に置いてみた作を見返すと、後藤、古後藤、古美濃、古金工、京金工、蝦夷、大月、正阿弥、埋忠、伊藤、平戸、古刀匠、古甲冑師、甲冑師、太刀師、鏡師、現代鐔…とまさに多様なジャンルが入り乱れている。
しかしこうして手元の作を見返してみると、自分自身で

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鐔にまつわるオカルト話

鐔にまつわるオカルト話

「あれは呪われた刀だ」
「あの刀には斬られた人の怨念が憑いている」
「刀を買ってから奇怪な事が沢山起こる」

などなど、刀にまつわるオカルト話はよく聞きます。
一方で鐔をはじめとした刀装具についてはあまり聞かない気がします。

しかしそんな折、フリマサイトに「呪物」と書かれた鐔が…!

な、な、な…怖い。

山銅地と思われる色味と、櫃孔の形状からするに室町期頃の鐔で、打刀拵に付いていた物に見えます

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