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2021年11月の記事一覧

槍の種類

槍の種類

気づいてしまった。
槍について何も知らない…。

先日山口県にある柏原美術館を訪れた際に、展示された様々な形をした槍を見る事で、はじめて槍には様々な形のものがあることを知りました。(10種類位展示されていた気がします)
という事で今回は槍の代表的な種類について調べてみました。
網羅出来ているか分からないので、不足があれば是非教えてください。

①直槍真っすぐな姿の槍を総称して直槍というようです。

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愛刀調査③ 埋忠刀譜にそれらしきものが…

愛刀調査③ 埋忠刀譜にそれらしきものが…

愛刀の無銘行光の伝来調査も今回で第3弾になりました。
第1弾は茎に何か書いてあるという所からX線撮影を行い、底銘と所持銘のようなものを発見。

第2弾は茎が刀身に比べて短いという形状や、行光銘の上に微かに残る筆跡のようなものが「源左衛門尉」と書かれていたのではないかと仮説を立て、もし信国だったら、という線で伝来を調査してみました。

あれから月日が流れ、やはり信国である可能性は薄いというのが現状の

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日本刀を飛行機で運ぶ方法

日本刀を飛行機で運ぶ方法

日本刀を持って飛行機に乗らねばならない…
そんな事がこの先あるかもしれません。
機内への持ち込みが出来ないのは当然ですが、日本刀は手荷物として預ける事で飛行機に積むことが出来ます。
但し通常の荷物預入の手続きとは異なるので、今回は日本刀を飛行機で運んだ時の様子を書こうと思います。

①事前準備主に3つあります。当日までに行っておきましょう。

・刀身に油を引く移動中、傷や錆びから刀身を守る為に必要

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未来の刀鑑賞のカタチとそれが訪れた時、日本刀の真価が問われる。

未来の刀鑑賞のカタチとそれが訪れた時、日本刀の真価が問われる。

近い将来、美術館にある国宝クラスの名刀を自宅に居ながら鑑賞する事が出来るようになる日が来るかもしれません。
まずはVRでの実現が先になるでしょう。
もっともっと将来、仮想空間が現実と区別できなくなる位に発展した時、日本刀に限らず多くの美術品が真の価値を問われる時かもしれません。
今回は現状の流行りから見える未来の刀鑑賞の形を考え、それが現実に訪れた時に刀は何を問われるのか、について考えてみようと思

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「虎徹を見たら偽物と思え」は本当なのか?

「虎徹を見たら偽物と思え」は本当なのか?

「虎徹を見たら偽物と思え」
「虎徹の刀が100振あったら本物は1振」

刀に詳しくない人も聞いた事があると思います。
この言葉がいつからあったかは不明ですが、本間寒山氏は著書である「寒山刀剣教室」内で恐らく明治以降に生まれた言葉と述べています。

・佐藤寒山が山形県の登録数から見た虎徹正真作の割合「寒山刀剣教室 P130」を見ると虎徹大鑑を制作当時、山形県の登録台帳で寒山氏が刀の数を調べたところ、

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南北朝時代の豪壮な刀は人を斬る為ではなかった?

南北朝時代の豪壮な刀は人を斬る為ではなかった?

南北朝時代といえば、鎌倉時代と室町時代に挟まれる時代わずか60年ちょっとの事を指し、広く言えば室町時代に含まれますが、日本刀は更に大きく豪壮な姿へと変化しています。(全時代を通じて一番刀が大きくなる)

(画像参照:刀剣博物館 日本刀の歴史)

江戸時代(↑でいうと9あたり)になると2尺3寸(刃長約70㎝)が定寸と決まりましたが、南北朝時代は3尺(90㎝)を越えるものも多く登場し、中には太郎太刀や

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「振袖茎」の形の理由

「振袖茎」の形の理由

以下のように先が少し曲がっている茎を「振袖茎」と呼びます。
主に鎌倉時代の短刀に見られる形状です。

今まであまり疑問に思っていなかったのですが、よくよく考えてみるとなぜ最後急に沿っているんだろう?と疑問。
急に反らずに最後まで真っすぐなものも沢山あります。

なぜ鎌倉時代に振袖茎という形状が存在しているのか?
「寒山刀剣教室 著:佐藤寒山」を読むと書いてありましたので紹介します。

・振袖茎は馬

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獅子王

獅子王

鵺(ぬえ)退治の功績によって源頼政が鳥羽天皇より賜ったとされている太刀「獅子王」。
私も優美な拵えと鎌倉時代の武用の拵えが好きで、好みの刀の一つです。
今回はこの獅子王について調べてみました。

①獅子王の伝来鳥羽天皇→源頼政→斎村政広→徳川家康→土岐頼次→土岐頼近→東久世通禧→明治天皇
(※土岐頼次までは「日本刀大百科事典」を参考、それ以降は「e国宝」を参考)

「日本刀大百科事典」によると、一

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粟田口国吉の二重刃について

粟田口国吉の二重刃について

粟田口国吉には二重刃と呼ばれる特徴が顕著に表れた物があります。
以下でいえば帽子の部分、刃文に沿って線が見えます。

二重刃自体は山城の綾小路にも見られます。

(画像出典:名刀図鑑より)

他にも古備前行秀なんかにも見られます。

古備前行秀や綾小路定利はどちらも平安末期から鎌倉初期頃の刀工として考えられていますが、飛び焼きが連なって二重刃のようになっているように見る事ができます。
他にも同時期

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第6回刀屋さん見学会を行います!(12/11 13:00~)

第6回刀屋さん見学会を行います!(12/11 13:00~)

刀屋さんに行ってみたいけど1人で行く勇気の無い方、刀屋さんで刀を実際に持ってみたい方などを対象に私+3名と少人数で刀屋さんを訪問する会 「第6回刀屋さん見学会」を行います!

コロナワクチン2回接種者のみ参加可能、マスク着用、検温、アルコール消毒など感染症対策をしっかり講じた上で行います。

刀に対する正しい知識を付けたい方、鑑賞方法やマナーを学びたい方も是非ご参加ください。初めて刀を触る方も勿論

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「名物・大島行光」がなんとお目見え!

「名物・大島行光」がなんとお目見え!

五郎入道正宗の父とも兄弟子とも言われる藤三郎行光。
新藤五国光の門人とも言われています。
そんな行光で享保名物に指定されている刀が、以下。

・不動行光
・矢目行光
・大島行光
・佐藤行光
・後藤行光
・綾小路行光

しかし不動行光を除いてこれらの殆どが所在不明、中には現存すら不明のものも。

しかし!

現在刀剣博物館で開催中の「珠玉の名品展 第2期」にてついに「大島行光」がお目見えしました!

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夢一つ叶う。刀展示ケース設置(in鹿児島)

夢一つ叶う。刀展示ケース設置(in鹿児島)

昨日から鹿児島に刀展示ケースの設置に行っていました。
以前刀展示ケース作りを通してやりたいことという記事を書きました。

その内の1つに、製作した展示ケースを複数飾って、自宅美術館を作りたいというのがありました。(まだ「むぅ」と名乗っていた時代ですね^^;)

こんな感じですね。
やりたいやりたいと思いつつもまずこの広い部屋と、飾るだけの数の刀を持っていないので、何十年も先だなぁなんて思っていまし

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刀の展示会でのちょっとした発見

刀の展示会でのちょっとした発見

今日「珠玉の名品展 第2期」何とか見てきました。
2期がもうすぐ終了してしまうので焦りましたが、何とか間に合って良かった…。2期についてはまた後日書きます。

今回は刀の展示会でなるほどー!と個人的に感じたちょっとした発見についてです。
まずは以下の古鞘の写真を見て下さい。

何か入っている。。

すこし別の角度から。

はい、白鞘の鯉口部分がティッシュで蓋されていました。
丁度近くに学芸員の方が

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現代刀の鑑定書「新作日本刀証明証」

現代刀の鑑定書「新作日本刀証明証」

公益財団法人「日本刀文化振興協会」では現代刀工の作品に対して、「新作日本刀証明証」というのが発行されているのをご存じでしょうか?

上記のように、刀の写真、銘や刀の寸法の他、銃砲刀剣類の登録証番号の記載や刀工自身によるサインまで書かれています。

現代刀(刀工が存命の作)についてはいわゆる日本美術刀剣保存協会の鑑定書というものが発行されないので、今まではその偽物が出た場合、第3者がそれを偽物だと判

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