![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66507966/rectangle_large_type_2_758e6915c0d19bda4d0675e38233e203.jpg?width=1200)
未来の刀鑑賞のカタチとそれが訪れた時、日本刀の真価が問われる。
近い将来、美術館にある国宝クラスの名刀を自宅に居ながら鑑賞する事が出来るようになる日が来るかもしれません。
まずはVRでの実現が先になるでしょう。
もっともっと将来、仮想空間が現実と区別できなくなる位に発展した時、日本刀に限らず多くの美術品が真の価値を問われる時かもしれません。
今回は現状の流行りから見える未来の刀鑑賞の形を考え、それが現実に訪れた時に刀は何を問われるのか、について考えてみようと思います。
是非皆さんも日本刀の真の価値を考えてみてください。
①これから仮想空間が生活の一部になる日が来る
まずは少し話が逸れてしまいますが、仮想空間についての話。
今メタバースという仮想世界でのコミュニケーションツールのようなものが流行っています。
よく分からない人はまず以下をご覧ください。
(Youtube「ネット上の仮想空間「メタバース」に商機 ビームスなど企業が続々と参入【news23】より」)
FacebookがMetaに社名変更した事も話題になっていましたね。
今月にはディズニーやマイクロソフトなどの大手も続々と参入を発表しています。
この仮想空間の流行を見越して、デジタル上の土地の取り合いなんかも随分前から既に始まっています。
ゲーム分野でもスクエニなど中心に既にメタバースへ乗り出しています。
なので例えばゲーム内アイテムを仮想通貨を使用する事で売買する事が出来るようになるでしょう。
なのでよりこれからはゲームをする事=仕事になります。
限定アイテムなどは特に高値で取引されると思われます。
その他にもアバターなどの服なんかも全て購入、売却する事が出来ます。
ライブなどは仮想空間上で行われ、そこだけの数量限定グッズが仮想空間で販売される事でしょう。
数量限定なので値上りする場合もあるでしょう。
アート(後述)や土地も同じ。
土地を買えばそこにお洒落な建物を建てる事が出来るようになるので、そういったお洒落な建物データを作る仕事なんかがこれからは稼げる時代が来るかもしれません。
1級建築士のデータ版みたいな感じでしょうか。
(画像出典:PRTIMES 株式会社HIKKY)
②NFTアートの登場
アートの所有の定義の幅も広がりつつあります。
今までは絵を資産として購入していた人達が、最近は絵のデータに大金を支払っている人がいます。
但しデジタルデータの絵が好きと言う人は現在は殆どおらず、大多数の人は誰かに転売する事での値上がり益を期待して買っているわけです。(所詮データですからね)
ただ所詮データと言えど、誰が持っていたかは記録に残るので、有名な人が所有していた物は価値がどんどん上がる可能性もあります。
でもデジタルだから大した値段付かないでしょ?と思うかもしれないので、参考までに以下をご覧ください。
以下は5000枚のデジタル画像をコラージュしたデジタルアートです。
いくらで落札されたでしょう?
(画像出典:EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYS)
75億円です。
他にも小学生が夏休みの自由研究で描いた以下の絵が380万円で売れていたりもします。これも有名人が使った事で同じものを使いたいという人が溢れて価値が上がった形です。
もう一度言いますがこれは実物ではなくデータです。
(画像出典:【NFT狂想曲】なぜ、小学3年生の夏休みの自由研究に380万円の価値がついたのか)
とまぁ、今世界の常識が変わろうとしている最中であり、なかなかに面白い事が世の中で色々起こっています。
③遠くない未来に刀の世界で起こるだろうこと
遠くない未来、刀の世界でもこれらの変化は少なからず起こるはずです。
例えば仮想空間上で国宝の刀に触れ、刃文や地鉄が本物を手に取ったのと遜色なく鑑賞出来る事は勿論、例えば特殊なグローブをはめる事で重さや質感などもリアルに感じる事が出来ます。
更にその刀の生まれた時代、鎌倉時代や戦国時代などにワープしてその刀がどういった武将に使われて来たのか、どういった戦を経てきたのかなど、リアルな追体験も出来るようになるでしょう。
しかも今のように映像という形で楽しむわけではなく、それこそ現実と見分けがつかない位にその世界に入り込めるような世界です。
有志で集まって行う刀鑑賞会などもこの仮想空間を使って行う事が出来るようになります。
14時にバーチャル秋葉原○○のどこどこに来てください、と言って沢山のアバターが集合する感じです。
それぞれが買った刀を持ち寄って鑑賞するのは変わりません。
ただし異なるのは全てが本物の刀ではなく「データ」という事です。
皆刀はデジタルで買い、それを見せ合っています。
でも本物と遜色なく鑑賞出来ます。
その場にいる人と刀を見ながら会話を楽しむことも出来ます。
そして刀はブロックチェーンと分散型台帳技術により所有者が証明されるので、その刀の所有者であることが誰にでも明確に分かります。
なんならその人がデータを鑑賞会などの場に持ち出さない限り、その刀のリアルな鑑賞が出来ないようにする事も出来るでしょう。
(因みに当然ですがリアルの体は各々の家にあります。実際に秋葉原に行くわけではありません)
鑑賞会に参加出来るのは日本人だけではなく、全世界の人が対象です。
自動翻訳されるので誰とでもスムーズにコミュニケーションを取れます。
更にその刀のデータは売り買いが出来るので、その鑑賞会の場で金銭的なやり取りも自由に行えます。
そんな事を考えると刀のデジタルデータを扱う刀剣店が現れるかもしれません。
更に更に面白いのは、例えば「童子切安綱」という有名な刀の所有者になったとしたら(勿論デジタルの話ですよ)、そのデータをスクエニが提供するドラクエやFFと言ったゲーム内で並行して使えるようにもなります。
当然童子切安綱のデジタルデータは世界に一つしかなく、パラメーター次第ですが、もしその童子切安綱が最強クラスの武器だったりすると、ドラクエやFFのプレイヤーからしたら喉から手が出るほど欲しくなるわけです。
それらのゲームに限らず全てのゲームで互換性が生まれる可能性があります。
すると童子切安綱のデジタルデータに希少性と実用性が付く事で3億円とかいう値段が付くわけです。
他にも宝探しのように仮想空間上のどこかに刀をばらまいて、それを見つけ出した人が最初の所有者になるというゲームも出て来るかもしれません。
目玉が国宝の山鳥毛だったりして、参加者の熱も上がるかもしれません。
そして国宝刀剣を手に入れた人は1億円で誰かに売れるわけですから、1億円を拾ったのと変わりません。
④刀職関係の仕事もガラリと変わる?
刀職関係の人も仕事がガラリと変わっているかもしれません。
刀鍛冶の人はパソコンで刀を生み出すかもしれません。
研ぎ師の人はデジタルデータの刀の刃文や地鉄をデザインチェンジする仕事をしているかもしれません。
私は現在本物の刀を飾る為の展示ケースを作っていますが、仮想空間にデジタルの刀を飾る為の展示ケースを作っているかもしれません。
デジタルといえど全てのデジタルデータはそのオリジナル性がブロックチェーンにより証明されるので自分の所有物と言い張る事が出来ます。
データなんかに価値が生まれるわけがないと思うかもしれませんが、自分自身が現実世界と区別のつかない仮想空間に行った時の事を想定してください。
それはデータではありますが、実際に手に持つ事が出来ますし、刃文や地鉄が実物と変わりなく鑑賞できます。
なんなら仮想空間上なので国宝刀剣を使って切る事も出来ますし、先に書いたリアルな追体験など、仮想空間でしか楽しめないプラスαがあります。
はて、このような時代が来たときにも本物の刀を持ちたいと思いますか?
持ちたいと思うならそれはなぜですか?
持ちたくないと思うならそれはなぜですか?
考えてみると、日本刀の真の価値が見えてくるかもしれません。
全然話は変わりますが、今この現実空間自体が実は仮想空間なのではないか?と考えている人も居ます。
イーロンマスクはその代表的な人でほぼ100%この世は仮想現実と言っています。
バンクオブアメリカのアナリストは50%の確率でこの世は仮想現実と言っています。
その昔二重スリット実験をする事でこの世が仮想現実である事を否定しようと試みた人がいます。
が、結果は何とも不思議なことに…。
興味ある方は以下が分かりやすいのでご覧ください。
(Youtube「【ゆっくり解説】わかりやすい二重スリットの実験(この世界は仮想現実」より)
この世界が仮想だろうが現実だろうがこの場で生活している事は変わりはないのでどうでもいいと言えばどうでもいいのですが、こういった事を考えるのもなかなかに面白いですね。
もしかしたら今本物と思って手に取っている刀も高度に作られたデータかもしれません。
いや、あなた自身も高度なデータかもしれません。
…いよいよマトリックスのような世界になってきましたね。笑
今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はハートマークを押してもらえると嬉しいです^^
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き御刀ライフを~!