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#図書館
復讐の女神ネフィアル 第1作目『ネフィアルの微笑』 第1話
マガジンにまとめてあります。
暗い灰色ばかりが視界に入る街がある。ジェナーシア共和国の中部に位置する、大きな河川沿いの街だ。
河川には様々な舟が行き交い、人々や物を流れに乗せて運ぶ。大抵は商用だが、単なる楽しみのために旅する者も少ないが全くいないわけではない。
街の名は《暗灰色の町ベイルン》。見た目そのままだ。街の建造物や河に掛かる橋、道の全ての石畳も、暗い灰色だけの街であった。
復讐の女神ネフィアル第7作目『聖なる神殿の闇の魔の奥』 37話
「あなたが頭を下げることはないのよ、ふふ、図書館にはあなたにとって望ましくはない本も置くのだから」
「それは承知の上です」
アルトゥールは、それが当然の事であるかのように言った。
「それなら、私がお礼を言わなくてはね」
「あなたが、いえ、あなたの図書館が僕の味方をしてくれなくても、僕はあなたとあなたの図書館の味方です」
それを聞いてクレアは微笑んだ。 だが次に、
「ありがとう」
復讐の女神ネフィアル第7作目『聖なる神殿の闇の魔の奥』33話
一行はクレアに連れられて、図書館の離れにある作業場に入っていった。
図書館本館は、クレアの実家のような小貴族の館を思わせる。対照的に離れはもっと簡素で、庶民の暮らすレンガの家の様子に似ていた。
グランシアは、魔術師ギルドの出来事を話した。三人の上位魔術師が病に倒れた。そのうちの一人はグランシアの師匠である、と。
これだけの事が出来るのは、ハイランという名のネフィアル神官をおいて他には
復讐の女神ネフィアル第7作目『聖なる神殿の闇の魔の奥』 32話
アルトゥールは、紫水晶の色の瞳の視線をいったん卓上に落としてから、美貌の女魔術師に向け直す。
「本来は、誰かに代償を支払わせた上でなら、それに対して逆恨みしてネフィアルにさらなる報復を願うことは出来ない」
ネフィアル神官としての力を持つ青年は淡々と告げた。意図的に感情を消して、冷淡にも見える態度を示してした。
「しかしハイランがしているのは、正当なる裁きのための手続きとは言えない。だから
【復讐には代償が必要だ】復讐の女神ネフィアル 第7作目『聖なる神殿の闇の間の奥』第19話
マガジンにまとめてあります。
「それでどうするんだ? クレア子爵令嬢のところへ行くか? それともやっぱり、グランシアを頼るのか?」
と、リーシアン。ジェナーシア共和国における愚かな大衆よりも、そちらの方が気になるようだ。
「正直なところ、まだ決められないな。お前はどう思う? 魔術師ギルドよりも、クレア子爵令嬢の図書館へ行った方がいいと思うのか」
「俺はそうしてほしい。 グランシアに含むとこ
復讐の女神ネフィアル 第2作目 『子爵令嬢の図書館』 第6話(最終話)
「クレア子爵令嬢はアイラーナから言われていた。どのように利用されてもかまわないと。《法の国》時代から怨霊(おんりょう)となって生き残ってきた存在は知られていないが、暗殺者ギルドの脅威を知らない者はまずいない」
アルトゥールの静かな、淡々とした声がテルミナールの耳を打った。それ以上は説明されなくても彼にも理解出来た。
「そうだったのですね」
テルミナールは卓に視線を落とし、うつむく。
「妹は、