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復讐の女神ネフィアル【裁きには代償が必要だ】

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ただいま連載中。プロモーションムービーはこちらです。 https://youtu.be/m5nsuCQo1l8 主人公アルトゥールが仕えるネフィアル女神は、かつては正義とされて…
霧深い森を彷徨(さまよ)うかのような奥深いハイダークファンタジーです。 1ページあたりは2,000…
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#裁き

復讐の女神ネフィアル 第1作目『ネフィアルの微笑』 第1話

復讐の女神ネフィアル 第1作目『ネフィアルの微笑』 第1話

マガジンにまとめてあります。

 暗い灰色ばかりが視界に入る街がある。ジェナーシア共和国の中部に位置する、大きな河川沿いの街だ。

 河川には様々な舟が行き交い、人々や物を流れに乗せて運ぶ。大抵は商用だが、単なる楽しみのために旅する者も少ないが全くいないわけではない。

 街の名は《暗灰色の町ベイルン》。見た目そのままだ。街の建造物や河に掛かる橋、道の全ての石畳も、暗い灰色だけの街であった。
 

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復讐の女神ネフィアル【裁きには代償が必要だ】第7作目『聖なる神殿の闇の間の奥』第25話

 マガジンにまとめてあります。

 ヘンダーランの屋敷から持ち出した本と巻き物を魔術師ギルドに、正確に言えばグランシアに任せて、アルトゥールとリーシアンはギルドの塔のテラスから下りた。

 マルバーザンが運び出してくれたのだ。

 この異界の魔物の力を借りて、またヘンダーランの屋敷にやって来た。

 マルバーザンは、出来るだけ人目につかないように、屋敷の裏庭に下ろしてくれた。

「ありがとう、助か

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復讐の女神ネフィアル【裁きには代償が必要だ】第7作目『聖なる神殿の闇の間の奥』第12話

マガジンにまとめてあります。

「本当にいいのですか?」
 
 アルトゥールは念を押す。何か企みがあるのか? そうだ、この状況で油断は出来ない。

「もちろんだよ」

 ハイランは、そうとだけ言った。アルトゥールは次の言葉を待った。何も言わなかった。

「では私がこの件をお預かりしてよろしいですか?」と、ジュリア。

「令嬢は貴女にお任せしよう。しかしヘンダーランの件は貴女にゆずるわけにはいかない

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復讐の女神ネフィアル第7作目『聖なる神殿の闇の間の奥』第7話

 アルトゥールは、ジュリアと仲良くして欲しいのだと頼まれたことがある。 そう言ったのはハイランが言うところの『弱者』である。

 最も、それはジュリアン側の『弱者』であるから 、ハイランにとっては、どうでもいい存在なのだろう。あるいは 真実の教えに目覚めていない、哀れむべき存在かも知れない。

「仲良くしているつもりだが」

とだけアルトゥールは言った。相手はいたく不満のようであったが、その人物の

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復讐の女神ネフィアル 第7作目『聖なる神殿の闇の間の奥』第6話

マガジンにまとめてあります。

 アルトゥールもメイスをかまえる。ハイランの武器を受け止めようとしていた。

「女神の力を」
 
 アルトゥールのメイスにも、暗赤色の透明な光が宿る。

「そこを退(の)きたまえ」

 言い知れぬ威圧感と威厳が眼前の男から伝わってきた。
 これまでアルトゥールは誰にも、女神ネフィアル以外にはそのような威を感じたことはなかった。

「退きません」

 それでもはっきり

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