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2024年8月の記事一覧
復讐の女神ネフィアル第7作目『聖なる神殿の闇の魔の奥』33話
一行はクレアに連れられて、図書館の離れにある作業場に入っていった。
図書館本館は、クレアの実家のような小貴族の館を思わせる。対照的に離れはもっと簡素で、庶民の暮らすレンガの家の様子に似ていた。
グランシアは、魔術師ギルドの出来事を話した。三人の上位魔術師が病に倒れた。そのうちの一人はグランシアの師匠である、と。
これだけの事が出来るのは、ハイランという名のネフィアル神官をおいて他には
復讐の女神ネフィアル第7作目『聖なる神殿の闇の魔の奥』 32話
アルトゥールは、紫水晶の色の瞳の視線をいったん卓上に落としてから、美貌の女魔術師に向け直す。
「本来は、誰かに代償を支払わせた上でなら、それに対して逆恨みしてネフィアルにさらなる報復を願うことは出来ない」
ネフィアル神官としての力を持つ青年は淡々と告げた。意図的に感情を消して、冷淡にも見える態度を示してした。
「しかしハイランがしているのは、正当なる裁きのための手続きとは言えない。だから
復讐の女神ネフィアル第7作目『聖なる神殿の闇の魔の奥』31話
脂の乗った鴨肉の蒸し焼きと根菜類の煮物を食べてから、アルトゥールは二階にある自分の部屋に戻る。
リーシアンはというと、夜の街を自分の定宿に歩いて行った。夜と言ってもまだ早い。街には夕飯を作り食べる明かりと匂いが漂う頃合いだ。
腕に覚えがあるのなら、まだ出歩くのはさほど不用心な振る舞いとも言えない。
まして北の地の戦士は、名の知れた驍勇(ぎょうゆう)なのだ。どんな命知らずが彼を襲撃する
復讐の女神ネフィアル第7作目 『聖なる神殿の闇の間の奥』31話
「ええ、そうでしょうね」
ジュリアは、それだけを口にした。アルトゥールの、グランシアへの信頼に否は無いようだ。
もっとも、否と言われてもどうしようもない。どうするつもりもなかった。
「さて、二人は戻ってこないようだ。出るか」
「そうね」
ここにいる二人も、カウンターを離れた。そのまま振り返らずに店を出てゆく。背後を何人もが見つめて、あるいは見張っているように感じた。
振り返らな