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復讐の女神ネフィアル【裁きには代償が必要だ】

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ただいま連載中。プロモーションムービーはこちらです。 https://youtu.be/m5nsuCQo1l8 主人公アルトゥールが仕えるネフィアル女神は、かつては正義とされて…
霧深い森を彷徨(さまよ)うかのような奥深いハイダークファンタジーです。 1ページあたりは2,000…
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2023年7月の記事一覧

復讐の女神ネフィアル第7作目『聖なる神殿の闇の間の奥』第8話

マガジンにまとめてあります。

 貴族の令嬢を乗せた馬車は、ヘンダーランの屋敷の前で停まった。彼女は子爵の位を持つ父親の娘である。 その父親は今はいない。

 令嬢は若く美しかったが、どこかやつれた雰囲気を漂わせていた。その雰囲気だけは、まるで人生に疲れた中年の女のようでもある。

 疲れた様子は明らかに子爵令嬢の若さも美も損なっていたが、不思議と保護欲をそそる魅力も醸し出されていた。

 令嬢は

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復讐の女神ネフィアル第7作目『聖なる神殿の闇の間の奥』第7話

 アルトゥールは、ジュリアと仲良くして欲しいのだと頼まれたことがある。 そう言ったのはハイランが言うところの『弱者』である。

 最も、それはジュリアン側の『弱者』であるから 、ハイランにとっては、どうでもいい存在なのだろう。あるいは 真実の教えに目覚めていない、哀れむべき存在かも知れない。

「仲良くしているつもりだが」

とだけアルトゥールは言った。相手はいたく不満のようであったが、その人物の

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復讐の女神ネフィアル 第7作目『聖なる神殿の闇の間の奥』第6話

マガジンにまとめてあります。

 アルトゥールもメイスをかまえる。ハイランの武器を受け止めようとしていた。

「女神の力を」
 
 アルトゥールのメイスにも、暗赤色の透明な光が宿る。

「そこを退(の)きたまえ」

 言い知れぬ威圧感と威厳が眼前の男から伝わってきた。
 これまでアルトゥールは誰にも、女神ネフィアル以外にはそのような威を感じたことはなかった。

「退きません」

 それでもはっきり

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