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復讐の女神ネフィアル【裁きには代償が必要だ】

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ただいま連載中。プロモーションムービーはこちらです。 https://youtu.be/m5nsuCQo1l8 主人公アルトゥールが仕えるネフィアル女神は、かつては正義とされて…
霧深い森を彷徨(さまよ)うかのような奥深いハイダークファンタジーです。 1ページあたりは2,000…
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2022年5月の記事一覧

【ハイファンタジー小説】復讐の女神ネフィアル 第6作目『ため息の響く丘』 第12話 エピローグそして新たな始まり

【ハイファンタジー小説】復讐の女神ネフィアル 第6作目『ため息の響く丘』 第12話 エピローグそして新たな始まり

マガジンにまとめてあります。

 一行は、《ため息の響く丘》にあったアジトから見つけた、大量の金貨と、センリシアたちが対価として受け取ったのであろう大粒の宝石を山分けにした。

「よしよし、これでまた当分は遊んで暮らせるぞ」

 アルトゥールたちは、プロフーサの街に来てから根城にしていた酒場にまた来ていた。今は仕切りで隠された個卓にいる。財宝の山分けは、《ため息の響く丘》のふもとでやった。不気味が

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【ハイファンタジー小説】復讐の女神ネフィアル 第6作目『ため息の響く丘』 第11話

【ハイファンタジー小説】復讐の女神ネフィアル 第6作目『ため息の響く丘』 第11話

マガジンにまとめてあります。

 アルトゥールは標的の二人センリシアとマリシオンが葬られた墓地へやって来た。通称〈罪人の墓場〉は特に重い罪を犯した者が地下に横たわる場所だ。

 ここには墓石は立たない。粗末な木の杭が立ち並ぶだけだ。無愛想で年齢の分からぬ女の墓守に礼を言って鉄柵に囲まれた中に入ると、誰も他にはおらず静かだった。

 ここに来る前に、グランシアからこう言われた。

「もうセンリシアの

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【ハイファンタジー小説】復讐の女神ネフィアル 第6作目『ため息の響く丘』 第10話

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 しかし未だ裁きの代償は受け取っていない。であればこそ青い包帯の守護者が、ネフィアルの裁きよりも遥かに優しい──そう優しいと言えるだろう──最期を二人にもたらしたのだとしても、代償もまた受け取る必要がなくなったのだ。

「これで僕が責任を負える範囲の話は終わってしまった。グランシアとヴィルマには何と言えばいいか分からないが」

 北の地の戦士はそれには返事をしない。

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