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心臓手術を受けるまで

2020年8月、私にとって3人目となる子供が誕生する予定。私は再婚のため3人目だが、妻にとっては初の我が子。

我が家は新しい命を迎えるべく着々と準備を「進めていた。

そして会社で受ける春の健康診断。ここで我が家の計画がガラッと崩れる大きな事件が起こった。

心臓が拡大している。「E判定」との事。

その後、大学病院で精密検査を受けた結果「大動脈弁輪拡張症」との診断。

何もしなければ数年以内に大動脈解離を引き起こし死に至る可能性が高い。1年以内に30%、2年以内に50%。3年経過したら生きている方が珍しいとの事。

また、指定難病となっているマルファン症候群の強い疑い(遺伝子検査を経て正式に診断結果が出る予定でこの記事を書いている現時点ではまだ未確定)という厄介そうな病気もセットでやってきた。

米津玄師やリンカーン大統領も同じ病気だそうな。嬉しくはないな

いずれにしても診断結果を共に聞いていた身重の妻は茫然としており、当の本人である私の方が冷静で妻を気遣いながら病院から家路についたのを覚えている。


誰でも病気になる可能性はあるが、まさか自分が。そしてまさか40代前半で、そしてこれから子供が産まれてくるってタイミングで!もし働けなくなったら子供の養育どうしよう?仕事もしばらく休職せざるを得なくなるし、復帰できたとしてもポストがそのままでいられる補償もない。そうなると減給もあり得るな。とか諸々、考え込むと延々と悩みこんでしまう。

しかしながら、それ以上に深刻なのは妻だ。まもなく臨月ってタイミングで精神的に「つうこんの一撃」を喰らい、尚且つ、この攻撃はステータス異常「不眠・夜泣き・情緒不安定」を引き起こす厄介な攻撃だった。


ぶっちゃけ、私個人としてはシンプルに状況を整理すると至極簡単な答えで

  3年以内の死 < リスクはあるが手術を受ける

この選択しかない。あとは開き直るしかないんだよね。

妻は頭の中で整理し切れず最悪の事態を考えては夜しくしくと泣いていた。

自分の事をからかわれるより、身内の事をからかわれる方が怒りやすいのと同じで自分では整理付いている問題でも、妻には中々吹っ切る事が難しかったようだ。

そんな妻を見ているのが俺には本当に辛かった。「産まれてくる赤ちゃんの事だけ今は考えてくれ」と何度お願いした事か。。。


手術日は赤ちゃん誕生の翌月にしてもらい、それまでの期間は症状が悪化しないように血圧を低下させて脈拍を抑える薬を処方してもらった。

それまでの自覚症状としては、階段のぼると息切れしやすくなっていたなぁ。とか普通に加齢による体力低下だろうと高を括っていた。むしろ体力低下を防ぐためにジムにも通っていたほどだったが、この薬を飲むようになってから一気に貧血の様な症状が四六時中起こるようになったのを覚えている。




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