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軽井沢香澄
2018年11月28日 01:16
夏休みの昼、なぜか君と二人で歩いていた。空には大きな雲が浮かび、蝉の声が僕らを覆っていた。無口な君と、学校の帰り寄り道して、ジュースを買って、それなのに僕だけがどぎまぎしていた。「ゼリー色」「えっ」水たまりに青空が写っていた。「水だけど、水じゃないから、ゼリー色」また君は歩き出した。「明日はアイス買おうよ」都合よく蝉が鳴く。映り込む空はゼリー色。
2018年11月21日 00:17
死よ全き死よ万雷の喝采が私を迎える道端の日常より唐突な裂け目が見開く死よ全き死よ無味無臭の和音が嗚咽を呼ぶ膝をつく間も無くあらゆる感覚は焦点を失う死よいざ万来する性聖精醒
2018年11月18日 20:47
失ったものよ待ってくれ行かないでくれ気づけない私が悪いのかそれとも過ぎ去ったものの美しさが私の心を動かすのか
2018年11月17日 23:15
夏の夜の涼しさは四季を通じ参照されるのであって寝床で感じられる手持ち無沙汰の代名詞であるいまは窓を開けようものなら凍えてしまうのであの夜が羨ましい日中に募る焦慮はついに爆発し度を越した虚しさが仰向けの胸から溢れ出す黒く重たいものが床に伝うと同じく窓から入り込んだ冷気と触れるすると両者は反応を起こし煙となって浮かんでゆき窓を抜け星空へと帰ってゆく
2018年11月14日 21:16
あくる日僕は灰になって昨日来た方角に飛んでゆく知る人は雨の薫りに僕を思い出し暗雲の向こうに目をやるだろうあくる日僕は風となって万来の光線を全身に浴びる無限に近い光は時の彼岸に僕を追いやり一切の差異が消滅するだろうあくる日僕はバッファーになって世界の理を補佐する裂け目に流れては縫い合わせ人の世につかの間の安寧を与えるだろうあくる日僕は断続になって繰り返し痙攣する君の頬