ゼリー色。

夏休みの昼、なぜか君と二人で歩いていた。
空には大きな雲が浮かび、蝉の声が僕らを覆っていた。
無口な君と、学校の帰り寄り道して、ジュースを買って、
それなのに僕だけがどぎまぎしていた。

「ゼリー色」
「えっ」

水たまりに青空が写っていた。

「水だけど、水じゃないから、ゼリー色」

また君は歩き出した。

「明日はアイス買おうよ」

都合よく蝉が鳴く。
映り込む空はゼリー色。