- 運営しているクリエイター
2019年1月の記事一覧
少女とクマとの哲学的対話「AIは人間を超えられるのか?」
〈登場人物〉
アイチ……高校2年生の女の子。
クマ……アイチが子どもの頃からそばにいる人語を解するヌイグルミ。
情報学者……AIが人間を超えることに懐疑的。
情報学者「昨今のAIブームで、ネコも杓子もAI一色になってしまった。AIが人間の生活を向上させているということは認めましょう。これは、事実だ。しかし、それ以上に、ヨーロッパの学者の中には、AIが人間を超えた神にも等しい存在になるのではないか
少女とクマとの哲学的対話「雪は存在しない!」
〈登場人物〉
アイチ……高校2年生の女の子。
クマ……アイチが子どもの頃からそばにいる人語を解するヌイグルミ。
現代哲学者……新実在論を支持する哲学者。
現代哲学者「現代哲学の潮流は、新実在論にあります。マルクス・ガブリエルがその筆頭ですね。彼は、新実在論の若き担い手として、本質主義と相対主義を止揚しようとしている。ハイデガーから始まる実存主義を、フーコーが構造主義によって乗り越え、さらにそれを
少女とクマとの哲学的対話「人はなぜ行動するのか」
〈登場人物〉
アイチ……高校2年生の女の子。
クマ……アイチが子どもの頃からそばにいる人語を解するヌイグルミ。
アイチ「スーパーボランティアの尾畠春夫さんが、東京の中学校で講演したあと、今、大分の自宅まで徒歩で帰ろうとしているところなんだって」
クマ「昨年の8月に山口で行方不明になった男児を救出した人だね」
アイチ「すごいよね。どうしてあそこまでできるんだろう」
クマ「どうしてなんだろうね」
ア
少女とクマとの哲学的対話「自由と会社勤めの関係」
〈登場人物〉
アイチ……高校2年生の女の子。
クマ……アイチが子どもの頃からそばにいる人語を解するヌイグルミ。
会社員……会社勤めが嫌で自由に生きたいと思っている。
会社員「ああ、嫌だ、嫌だ。毎日やりたくもない仕事をして、このまま一生を終えるなんて。世の中には、好きなことをして自由に生きている人もいるというのに、わたしはどうしてこうなんだ」
クマ「会社員というのは大変だね」
会社員「ええ、そうで
少女とクマとの哲学的対話「春を待つ心に既に春は到来している」
〈登場人物〉
アイチ……高校2年生の女の子。
クマ……アイチが子どもの頃からそばにいる人語を解するヌイグルミ。
アイチ「うー……寒いよぉ……」
クマ「冬だからね」
アイチ「どうして冬って寒いんだろう」
クマ「それは、どうしてあの人はロミオなんだろうというのと、同種の問いだね」
アイチ「あの人はどうしてロミオだったの?」
クマ「どうしてもこうしてもなく、ただロミオだったんだよ」
アイチ「じゃあ、冬