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(日本初?)読書会「ロバート・ランザを読む~Biocentrismとはどういう思想か~」

「ロバート・ランザを読む ~Biocentrismとはどういう思想か~」の読書会に参加してきました。
書籍は、こちら。

書籍の概略

再生医療の専門家でもあるRobert Lanzaさんが物理学者の友人と出版されたこちらの書籍。
未邦訳でまとまった情報が日本語では出てきません。。
氏は”Biocentrism”「生命中心主義」を提唱しています。
元々は医師で視神経再生医療の専門家で、ニュース雑誌”TIME”が選ぶ、「世界で最も影響力がある100人(2014年度)」に選ばれた方でもあります。
それほどの方の書籍なのに日本では全くといっていいほど情報がありません。ということもあって、noteに残しておこうと思います。
氏は、スラムの出身で子供の頃から野生児で野山で遊んでいたとか。
そのあたりの生い立ちも記されているとのこと。
ただ、こちらの書籍、記述の仕方も難解で前提の知識がないと読み進めるのもかなり難しいとのこと。
今回の読書会では生命中心主義の7つの原則を紹介していただきました。

ネットでランザさんの紹介記事を検索してみると、組織開発系の海外企業のブログ記事が出てきました。ご参考。

ロバート・ランザは、生命中心主義に基づいた魅力的な理論「生命中心主義:宇宙の新しい理論」を書いています。生命中心主義では、反対ではなく、宇宙を創造する生命の革命的なビジョンを公開し、観察者ではなく観察者に創造の責任を負わせています。 。意識が現実を生み出すという考えは、量子物理学によってサポートされており、生物学や神経科学の側面と一致しており、過去数世紀にわたって私たちが獲得したすべての知識を考慮に入れています。
この理論はまた、意識が物理的な世界を構想し、支配し、そしてなることを確認する世界の最も古い伝統と一致しています。したがって、ランザは、私たちが現実と呼ぶすべての可能な結果の特定の構成に意味を与えるものであることを示唆しています。
生命中心主義は、現実の本質を根本的に再考することで世界に衝撃を与えました。しかし、それは一連の調査の始まりにすぎませんでした。2016年、ランザは「生命中心主義を超えて:時間、空間、意識、そして死の幻想を再考する」というタイトルの生命中心主義に関する詳細な本を書きました。バイオセントリズムを超えて、死の重要な問題や、植物界での認識、情報の取得方法、人工知能などのトピックに関する重要な洞察など、トピックのより詳細な調査が提供されます。
https://www.quantasia.ch/en/2018/10/12/biocentrism/
Google翻訳

Robert Lanzaのどこが凄いか

  • 神秘主義に陥らない 主流派の科学を全て認める New Age Scienceは認めない

  • しかし、死後意識の存在を主張  肉親、友人の死を体験して

  • 唯物主義を批判!!

  • 量子力学の新たな解釈を提唱

  • 共著者(物理学者)の助けで?、現代物理学の主流を認めつつ、痛烈に批判

  • 分からないことをはっきり言う! 意識とは何か? 時間とは何か?

生命中心主義

第1原則


現実と認識していることは、意識を伴うプロセスである。
もし「外的」事実として何かが存在するとすれば、それは「空間」に存在するはずだが、そのような考えは無意味である。 空間と時間は実在するものと言うよりは、むしろ人間や動物の意識の中にあると考えるべきである。

第2原則

私たちの外部的及び内部的認識は不可分に絡み合っており、 ちょうどコインの両面ののように分離することは出来ない。
私たちは「外部」のものを視覚や触覚などによって経験し認識するが、実は「内部」に発生した認 識(ある種の意味化されたもの)そのものを認識している。 加えて、そこで発生した認識は、「意識」として宇宙に広がる可能性がある。 (これに関しては、特に二重スリット実験を厳密に考察するときに述べている)

第3原則

亜原子粒子(実際には全ての粒子と物体)の挙動は、観察者の存在と密接に関連している。意識を持った観察者の存在がなければ、これらの粒子はせいぜい確率波の不確定な状態で存在するだけである。
正統的な量子力学によれば、観測前の粒子は波動関数としてしか示せない。この波動関数は、い わゆる物理的波動を表すものではなく、あくまでも確率波である(シュレディンガーの波動方程式)。 観測によっていわゆる「量子収縮」が起こり、初めてその位置や運動量が確定するが、両方同時に確定することは出来ない(コペンハーゲン解釈、ハイゼンベルクの不確定性理論)。

第4原則

意識がなければ、「物質」は確率の不確定状態にとどまる。 意識に先行する可能性のある宇宙は、確率状態でしか存在し得ない。
これが、生命中心主義の特徴的原則と言える。意識の存在なくして、宇宙は存在し得ない。ある種の唯識論(東洋哲学)だが、ランザによれば、たまたま東洋哲学がもたらした思想と合致するだけで、この原則はあくまで現代物理学の新たな解釈であり、それ以上でも以下でもない。

第5原則

宇宙の構造は生命中心主義によってのみ説明できる。 宇宙は生命のために微調整されている。 生命は宇宙を生み出すための完璧な意味を持ち、「宇宙」とは、我々が生み出した時空間論理である。
この原則に関しては再考の余地があるかもしれない。 重力定数等、様々な定数がわずかにズレるだけで生命は存在し得ない。しかしそのことが、宇宙に 先んじて生命意識が存在したとする根拠となるか?ランザは、「ゴールディ・ロック」と言っているが・・・・・?

第6原則

時間は動物の知覚の外には存在しない。 時間とは、私たちが宇宙の変化を知覚するプロセスである。
相対性原理によれば、時間は絶対的なものではなく相対的なものである。 また、時計が指すようないわゆる「時間」は、あるリズムと他のリズムの相対的な比較以外の何者でもなく、私たちの外部に存在する絶対的なものではあり得ない。

第7原則

空間も時間と同様、物体ではない。 宇宙空間は動物が外界を理解する一つの形であり、 生命とは独立した現実的空間が存在するわけではない。
従って、 物理的事象には、我々生命と無関係に生じる絶対的存在の構造は存在しない。

これも極めて唯識論的な原則である。 重要なことは、空間も時間も物質ではなく、このことから、唯物論は崩壊する。 「もしこの世の中の全てが物質であれば、「物理学」も物質であるはずだ。では、どのような物質か見せて欲しい」と、物理学者に質問したら、答えられなかった。物理学以前の、幾何学を含めた多くの自然科学の基盤である「時空」が物質でない以上、唯物論を認めるわけにはいかない。 しかし、もし仮に物質以外の何かがあるとして、それを「意識」と呼ぶのだろうか? では、「意識」とは、一体何なのか?????

今回は、読書会で紹介していただいた内容をシェアさせてもらいました。
科学者が物理学にのっとって、このような論理を展開していることは、とても新鮮で可能性を感じました。追加調査で組織開発系の企業の関心の対象になっているのもとても面白いなと。
以上、読書会の内容シェアでした。

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