コヤネコ

ヨルシカを好きになったあなたに、ヨルシカの世界をもっと楽しめるように、曲の考察やヨルシカ独自の世界観を解説します。

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【考察】 バス停に座る女の子の正体

 ヨルシカ好きであれば、これが何のPVかはすぐに分かると思います。そう『雲と幽霊』ですよね。今回は、このラストシーンに映る女の子の正体について、考察していきたいと思います。  まず前提としてこの女の子は、アルバム『負け犬にアンコールはいらない』の初回限定版に付属するショートストーリー「生まれ変わり」に登場する女の子であるとします。  少し簡単に『生まれ変わり』のストーリーを説明します。  ある朝、女の子が古い木造のバスの停留所の中を覗くと、幽霊が座っていた。話すとその幽

    • ヨルシカの世界「曲のつながり」

       ヨルシカの音楽は、描かれる世界観が一貫している。 まずこのことをご存知でしょうか。  もしヨルシカ作品の中で、お気に入りの曲があるという人は、その楽曲が収録されているアルバムもチェックしてみてほしいんです。なぜならヨルシカは、アルバムごとにコンセプトが作られているため、必ず何らかの共通点が見つかるからです。  アルバムの中で対にっている曲もあれば、アルバム間で対になっている曲もあります。一部を紹介しますと、1stアルバム『夏草が邪魔をする』に収録されている『言って』と『

      • 【考察】 『アルジャーノン』はエルマの夢?

         ヨルシカの楽曲『アルジャーノン』は、小説『アルジャーノンに花束を』をオマージュして作られています。その為、歌詞の中に小説の内容に関係するものがいくつか登場します。  しかし歌詞を読んでいて、これはとあるものと共通する世界観が描かれているのではないかと思ったので解説いたします。  アルバム『エルマ』の初回限定盤には、エルマがエイミーの後を追ってスウェーデンを旅した時に記した日記帳という特典がついてきます。  そのエルマの日記帳には、以下のようなことが書かれています。  

        • 【考察】 MV『テレパス』について

          『テレパス』のMVは一度見ただけでは、これが何を意味しているのか分からない、かなり難解な映像になっているように思います。しかし、ヨルシカの他の作品とも比較して見ることで、見えてきたものがあるのでご紹介します。  上は『テレパス』、下は『だから僕は音楽を辞めた』のMVのワンシーンを切り取ったものです。『テレパス』の世界は、見るからに荒廃した世界であることが分かります。『だから僕は〜』の世界は現代に近いんですが、二つの画像には共通するところがあることから、まず同じ世界であると仮

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          【考察】 カセットテープの意味

           ヨルシカ作品には、カセットテープがよく用いられています。アルバム『盗作』の初回特典には、ピアノソナタ月光が収録されたカセットまでついてきます。これは盗作おじさんが、曲を盗むときにカセットテープに録音するため、モチーフとして使っているとも取れます。しかし、『ブレーメン』、『テレパス』のMVにも登場することから、ヨルシカ作品全体に共通する他の意味もあるのではないかと考えました。 そして、それはズバリ“生まれ変わり”を象徴しているのではないでしょうか。  ヨルシカの表現する世

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          和歌に見る『春泥棒』の心

           ヨルシカ好きの皆さん、和歌を知るとヨルシカの世界をより楽しむことが出来る、そうは思いませんか?  ヨルシカ作品はよく短歌や俳句がオマージュされています。  『ただ君に晴れ』では、正岡子規の“絶えず人いこふ夏野の石一つ”、『爆弾魔』には、加賀千代女の“散れば咲き咲けば散りして百日紅”など、歌詞の中に美しく折り込まれ、曲の世界観が見事に表現されています。  以前から枕詞や古語表現も使われていましたが、今回アルバム『幻燈』に収録されている『都落ち』は万葉集の一首からのオマー

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