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【考察】 バス停に座る女の子の正体

 ヨルシカ好きであれば、これが何のPVかはすぐに分かると思います。そう『雲と幽霊』ですよね。今回は、このラストシーンに映る女の子の正体について、考察していきたいと思います。

 まず前提としてこの女の子は、アルバム『負け犬にアンコールはいらない』の初回限定版に付属するショートストーリー「生まれ変わり」に登場する女の子であるとします。

 少し簡単に『生まれ変わり』のストーリーを説明します。

 ある朝、女の子が古い木造のバスの停留所の中を覗くと、幽霊が座っていた。話すとその幽霊は、随分昔に別れた心に想う人を探していて、彼女がもし生まれ変わっているなら、ここに来るだろうから、このバス停で待っていると。そして思い出したかのように、女の子自身も彼をずっと待っていたことに気付く。待ち人に出会えた幽霊は満足して、靄となって消えた。
 ーーそれ以来、女の子は生まれ変わりを信じている。

 こんな話がブックレットとして付いてくるのですが、ここで覚えておいて欲しいのは、古い木造のバス停留所と、このことが女の子が生まれ変わりを信じるきっかけになったという点。


 
次に『盗作』の小説内で描かれている、盗作おじさんの奥さんに関する記述を見ていきます。

 まず盗作おじさんと奥さんは7歳年が離れています。奥さんが7つ上。2人は幼い頃に出会っていて、大人になって再会し、結婚する。出会った場所は、奥さんの祖母の家の近所にあった木造のボロの停留所。彼女は生まれ変わりを信じていた。

以上のことが、小説の内容から読み取ることができます。

 もうお分かりでしょう。奥さんが生まれ変わりを信じていたのは、あのバス停で、前世での想い人との再会を果たしたから。今度は彼女が待つ番だとでも思っていたのでしょうか。
 文中でも「バスを待つ時間に話した時、不思議と、初めて会った気がしないほど馬が合った。彼女は生まれ変わりを信じていて、もしかしたら前世じゃあ一緒だったのかもしれないって、よく話したもんだ」と書かれているんです。

 さらに奥さんが7歳年上というのも、幽霊が彼女を見つけ、成仏してその時生まれ変わって再会したとするなら、年の差の辻褄が合います。

 つまりバス停で誰かを待っていたあの女の子の正体は、未来の盗作おじさんの奥さんーー。
 もちろん前世はエルマ。奥さんは「月光」を弾くとなぜだか涙が出てくる。ピアノは誰に習った訳でもないのに、誰かが教えてくれたような感覚がする。このように作中で述べています。

いかがだったでしょうか。
ぜひ皆さんの考えもお聞かせください。



おまけ

 小説『盗作』の中で浅い茶色の瞳をした少年が登場します。奥さんも浅い茶色の目をしていたという生まれ変わりを示唆する表現があります。これと前世ライブを踏まえると生まれ変わりの時系列として
 
 エルマ → バス停の女の子(奥さん)→ 春泥棒の犬 → 少年

となるのではないでしょうか。

 さらにこの少年は、盗作おじさんからピアノソナタ月光を習っています。ヨルシカライブ〜月と猫のダンス〜のあらすじにおいて、主人公である画家の男は、唯一弾けるピアノ曲として“ベートーヴェン、ピアノソナタ14番”と書かれている点から、少年が成長して画家になったのかなとも考えています。 
まだまだ情報は出揃ってないので憶測ですが、今後に期待しましょう。

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