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『妻を帽子と間違えた男』読書感想。


視覚認識の判断力の欠如という欠陥により、妻を帽子と取り違え、自分の足と靴の区別のつかない聡明な音楽教師P、20歳前後の若い頃の記憶しかなく、その後の記憶がぽっかり抜けている49歳男性G。
欠けている人、過剰な人、様々なな不調を抱えながらも独自の世界を慈しみ生きる24人の患者たち。

ズレがあるからこそ見える世界があり、その世界をわからないからといって蔑むのではなく新鮮なものとして敬うオリバー・サックスの愛情深さが素晴らしい。

口先ばかりの”多様性“とは違う、多様性のための本当の心のあり方を教えてくれる一冊。

自分以外の他者に対する尊敬、もしくは尊敬できる所を見つける努力なくして多様性はない。


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