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不思議ちゃんの本音「夏の宿題は?」
「夏休みの宿題」について、子どもの頃の私は、同じ学校に通う、多くの同級生たちとは、少し異なる意見を持っていました。
実は、小学生の頃の私は、夏休みが終わってから宿題をするタイプの子どもだったのです。
「なぜ夏休みに宿題をしなかったの?」という素朴な問いは、私にとっては、これまでの人生で何度も受けたことのある「よくある質問」のひとつです。
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なぜなら、私にこの質問をしてくるのは、当時の学校の先生やクラスメートだけではないのです。
大人になってからも「夏休みの宿題は、いつ始めるタイプだった?」という質問は、往々にして聞かれる機会があるからです。
そして、そんなときに、私が正直な答えをそのまま述べると、周囲の人々はとても不思議がるのです。
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どうやら多くの人にとっては「夏休みの宿題を夏休みにしない」という行為は、合理的な選択ではないようです。
でも、私にとっては、私の考え方に驚く人々のほうが不思議な存在です。
夏休みの貴重な時間を、宿題に費やすという選択は、子どもの頃の私にとっては、奇怪な行動のようにしか思えなかったからです。
その頃の私は、夏休みは全力で楽しむべき期間だと信じていたのです。
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そして、私なりに後悔しない過ごした方を選択し続けた結果、気がついたら、夏休みの宿題が終わらないままに、新学期を迎えることになっていました。
「夏休みの宿題」は、当時の私にとって、魅力的な時間の使い方ではありませんでした。
むしろ、そんな私にとっては、夏休みのうちに宿題を終えることに成功した同級生たちのほうが、とても不思議な存在でした。
同じ歳なのに、私にはできなかった高尚過ぎる偉業を、当たり前のように成し遂げているのです。
もしかしたら宇宙人なのではと疑ってしまいたくなるくらい摩訶不思議な生命体です。
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こんな持論を展開すると「学校の先生に叱られるのは嫌ではなかったの?」と、さらに不思議がられます。
当然、学校の先生には叱られましたし、それは、私にとっても、もちろん嫌な時間でした。
ただ、自分の気持ちに嘘をつくことと比べれば、学校の先生に怒られることは、それほど苦痛なことではないと、当時の私は考えていました。
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むしろ、私の素直な意見としては「学校の先生や親に怒られたくないから」という理由だけで、自分の気持ちを我慢することのほうが、なにかが違うように感じていました。
その頃の私は、友達のプリントの答えを丸写しするほど必死になる同級生たちをみて「それは紙と時間を無駄遣いしているだけなのでは?」と考えてしまうくらい、彼らの行動が「分からない」と感じていたのです。
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そんな独特な考え方が影響していたのか、多数派ではない言動ばかりしていた私は、しばしば「不思議ちゃん」と呼ばれることがありました。
また、なかには「同類になりたくない」と軽蔑してくる人までいました。
ほかにも、同じような意味の発言を、周りの人たちから投げかけられることは、その頃の私にとって、少ないことではありませんでした。
私は、自分の意思で、自分の行動を選択しているにも関わらず、そういった発言を聞く度に、心をザワつかせていました。
しかし、そういった発言に対して、私が反論することは、ほとんどありませんでした。
それは、「同類になりたくない」と軽蔑されたとしても、宿題の提出期限を守れない上に、同級生たちの行動を理解することもできない私に、文句をいう資格はないと考えていたらです。
それに、そんな私になりたくないと思うのは、当然です。
私だって、そんな私が嫌いでした。
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とはいえ、私のことを「不思議ちゃん」と直接言ってくる人は、それほど多くはありませんでした。
どちらかといえば、遠くに歩いている私を見つけた誰かが「あっ、不思議ちゃんだ」と指を指して噂話をしているところをみたと、友人や家族から報告を受けることのほうが多くありました。
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そして、この「不思議ちゃん」と呼ばれているというニュースは、もちろん、私にとっては、良い知らせではありませんでした。
当時の私は『不思議ちゃん』というラベリングを、オブラートに包まれた『悪口』のように受け止めていたからです。
私が耳にした「不思議ちゃん」という言葉には、尊敬の気持ちがなく、敬意が欠けすぎていることは明らかでした。
少なくとも、当時の私は、そのように感じていました。
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もしくは、私が「不思議ちゃん」という言葉について、やや被害的な受け止め方をしてしまったのは、私自身の価値観が強く影響しているかもしれません。
子どもの頃の私は、自分自身のことを、ほかの同級生と比べて「不良品」であるかのように考えていました。
なぜなら、そんな私が褒められることは、ほとんどといっていいくらい、なかったからです。
それは、夏休みの宿題への周りからの評価をふり返ってみても、そうでした。
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宿題を期限内に提出して、褒められるている人をみた経験は、何度もあります。
でも、宿題を忘れて、褒められている人をみたことは、一度もありません。
私は「不思議ちゃん」と言われる度に、劣った生き物であると非難されているような気分になっていました。
そのため、小中学生の頃の私は、極端に自己評価の低い人間でした。
しかし、そんな私のことを、なぜか、褒めてくれる人が現れました。
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【記事の本文は以上です】
はじめまして
私の最初のnoteを読んでくださり
本当にありがとうございます
何度も書き直し、悩みながら公開したこの投稿が
こうして、画面の向こうの方の元に届いたことが
とても嬉しいです
これからは
クリエイターの皆様から
学びや感動を得るだけでなく
自分の気づきや経験をシェアする場所としても
ここを大切にしていきたいです
次回の記事では
今回のエピソードの続きをお届けする予定です
私のことをもっと知って頂けたら嬉しいです
あの頃の私の物語が
どなたかの幸せに繋がることを願っています
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(2024年8月30日追記)
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