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旧新橋停車場へ。

 ル・コルビュジエを観たくてパナソニック汐留美術館に向かったのですが、あいにくの休館日。

 休館日を示す真っ赤なディスプレイの写真すら撮れず、「キェー!」と心の中で叫び、一度日テレショップに寄る私。

空次郎。
体格ブラザーズ。私の後ろの客も体格手ぬぐいを購入しており、なかなかの人気。

 しかしこれで帰ってしまうのもなんだかシャク。地下道にある地図を見たところ、汐留美術館の隣にある旧新橋停車場に博物館マークがついていたので行ってみることに。

停車場

 ホームの隣にある建物には小さな博物館があり、旧停車場としての鉄道歴史展示室、そして伊藤園が運営する「お茶の文化創造博物館」「お~いお茶ミュージアム」の三つがありました。

 そのうち、唯一の有料(500円)であるお茶の文化想像博物館がなかなかの見応え。さすが餅は餅屋と言いますか、おそらく中高生でもわかるぐらいに、通史に近い内容をよりポップに、より体系的に教えてくれます。私が訪れたときはお客さんは私ともう一人ぐらいで、館内にいた男性スタッフさんが丁寧に歴史を教えてくれました。

 個人的に面白かったのは汽車土瓶と呼ばれる、以前新幹線の車内販売であったお茶セットの元祖のようなもの。フォルムが良くて個人的には気に入ってたんですが、使用後、窓の外に投げ捨ててしまう不届きなお客さんも多かったらしく、廃棄しないでくれという旨の注意書きが書かれているのが興味深いです。こうしたゴミを始めとした環境問題は戦後のイメージが強いですが、実際は戦前からあったんだと教えてくれる展示でした。

汽車土瓶

 展示室の冒頭では薬研(薬を挽くための腹筋ローラーみたいなやつ)と石臼で実際の茶葉が挽ける、体験スペースもあります。特に石臼はぜひとも体験して欲しいというか、挽きたての抹茶粉の色は目にも鮮やかな鮮烈さ。お茶は鮮度が劣化しやすいとは聞きましたが、ここまで違うかと驚いてしまいました。

薬研
石臼

 また、撮影NGでしたが、茶箱のパッケージイラストの中には三代歌川広重による作品も展示されております。

撮影可能なパネルを撮影

 特別展は無いようで、性質上展示替えも多くは無さそうに見えたのですが、仮にこのクオリティで特別展や展示替えをやるようになったら、汐留に行くたびに訪れる博物館になってしまうかもしれません。

鈴木春信《かぎやお仙》
あなたもお仙になれる!

 お~いお茶ミュージアムは商品としての「お~いお茶」をフィーチャーした施設で、どちらかと言えば家族連れで楽しめる体験型ミュージアムといったところ。そもそもの商品名が「煎茶」だったことにも驚きます(個人的にはこれをリバイバルしてほしい…)。中央スペースでは夏井いつき先生が俳句のアドバイスをしている動画があり、自作の俳句をプリントしたステッカーが作れたりもします(自作と言っても下の句は選ぶ形式で、句作の経験がないとかなりの激ムズです)。

この缶、リバイバルしないかしら…

 鉄道歴史展示室(東京ステーションギャラリーの兄弟分です)は鉄道好き、レトロ好きにはたまらない施設かもしれません。ここにも汽車土瓶がいましたし、企画展示室では鉄道写真家の南正時による国鉄時代の特急写真、昭和好きにはたまらない子供部屋の再現展示などがされておりました。

入口には撮影禁止の但し書きがありますが、撮影OKとNGの比率は五分五分ぐらい
こちらにも汽車土瓶。これを捨てるなんて、なんともったいない…
奥の崎陽軒も気になります
特別展示室の撮影OK部分


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