
- 運営しているクリエイター
2024年12月の記事一覧
「吉田博 今と昔の風景」(MOA美術館)
今年最後の展覧会は熱海へ。MOAの場合、普段なら開館直後から1-1.5時間ぐらいはそれほど混雑とは無縁で楽しめるんですけど、今回(12/30)は開館直後からそこそこの人の数。いかにも年末、といった感じです。
個人的にMOAの吉田博展は今回で4回目ぐらいの訪問で、何度見ても新品同様の保存状態の良さ、そして度重なる摺りによって線が潰れておらず、より吉田の意図に近いと思われるクオリティの高さはピカ
「「不在」トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル展」(三菱一号館美術館)
三菱一号館美術館にとっては初となる現代芸術展。コロナ禍で開催延期となり、4年越しに実現した展覧会となります。今回は後半、カルのパートに話題を絞って。
最初に展示された映像作品《海》は、イスタンブールの海を前に、人生で海を観たことがない人達に海を見せるというもの。海を観たあとにカメラのほうを振り返る人々の表情は様々で、涙を浮かべる人もいれば表情を崩さない人も、中にはカル独特の「システム」に困惑して
「歌舞伎展」(川崎浮世絵ギャラリー)
タイトルの通り歌舞伎をテーマに、葛飾北斎、三代歌川豊国(初代国貞)、歌川国芳の三名を中心に構成。作風としてスタンダードな豊国作品が多かった印象でしょうか。個性的な作家に多く触れれば触れるほど、かえってスタンダードな存在がありがたかったりするのですが、ただ、今回に関しては北斎・国芳の作品に興味を持ちました。
北斎にかんしては「浮絵」と呼ばれる、一点透視図法を用いたものなのですが、北斎のそれは少