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かろ(ペーパー学芸員)
2023年4月30日 20:00
「鳥瞰図」は文字通り鳥の視点から、極端に高い場所から描かれた俯瞰図で、浮世絵時代としては「一覧図」、近代以降は観光案内図として用いられた手法。飛行機・ドローンの無い時代にとってはこれもまた空想の産物でもあります。作品は『大正広重』と呼ばれた吉田初三郎によるものが中心で、「作品」というよりは実用的な「商品」、グッズ的なものだとどこかで思っていたのですが、展覧会の最後、拡大コピーされた《関東震災全
2023年4月19日 22:22
自身の脳出血をきっかけに小型カメラが取り扱えなくなり、大判カメラでの撮影を始めたという土門拳。 もちろん手軽に取り扱える代物ではなく、それで撮影された画面には非常に高い安定感があります。結果論ではありますが、それは土門拳の重量感ある作風とよくマッチしているように思いました。 もうひとつ感じたのは仏像の顔や衣紋といった「部分」に対するアップショットの使用。カラヴァッジョを連想させる、黒バック