
親からもらえなかったものを他人に求め続けてしまう
湘南に暮らす心理カウンセラー
渡辺サヤです

***
さて、本日も『ココロノマルシェ』に寄せられたお悩みにお答えします。
ココロノマルシェとは
作家で、人気カウンセラー根本裕幸先生の弟子カウンセラーたちが回答する、無料お悩み相談掲示板です。
どなたでも無料でお悩み相談できますので、是非ご利用ください。
『人生の厳しさにもう頑張れない。』
相談者:ゆきちさん
私は30代の女性です。資格職で正社員として働いています。
私は6歳のときに両親が不仲になり、毎晩夜になると両親の罵倒する声や怒号を聴きながら布団の中で泣いていることが多くなりました。最終的には、母親が父親を殺そうとする場面を助けることになり⋯その後の記憶がほぼありません。
ただ記憶に残っているのは、母親からは「お母さんもう限界だから離婚してもいいかな?」と私に尋ねられたこと。私は心が張り裂けそうになりながらこのまま2人が一緒にいたらお母さんは父親を殺しちゃうという恐怖から「うん」と言いました。
父親は2人でいる時に「ごめんな。全部お父さんが悪いんだ。何とかするから。」と悲しい顔をしました。
しばらくして、父親は中々家を出ていかず、母親は私に「お母さんが可哀想だから、早く家を出ていってといってきて」と言われ、泣きながら父親の部屋に行きました。
父親に泣きながら話すと「そんなこと言わないでくれ」と悲しい顔をしていました。それから数日後、父親は出ていきました。
それから、母親から「貴方にはもう父親は居ないと思いなさい」と言われ、家中の父親の写真や物は廃棄されました。一度、父親から電話が来て話せたのですが、電話の内容が父親だとわかると母親は家の固定電話の番号を変更しました。
それから、小学校を卒業するまでほとんど記憶がありません。問題は中学から始まりました。
夜になると当時のことをフラッシュバックして涙が止まらなくなり、息ができなくなりました。朝まで泣きながら夜を明かすことも多々ありました。
高校になってからは、母親の過干渉がひどく彼氏ができては別れさせられていました。
その頃には、自分の感情も分からなくなり、父親への罪悪感や私が生まれてこなければ良かったのではないかという気持ちが出ていました。
それでも、早く実家から逃れたいお県外の学校に進学し国家資格を取りました。学校生活を通して信頼できる友達や自分の環境を客観的に見つめることができてからは、格段に生きやすくなったように思います。
そして、就職したら父親に会いに行こうと決意していました。しかし国家試験が終わったあと就職して間もなく、父親は病死しました。
両親が離別しているため、父親の負債の相続が私に来るということで親族が訪ねてきたのです。葬式も終わり相続だけといったところでした。
そこから私は精神的に落ち始めました。あの時の事を父親に謝れなかった罪悪感、悲しみ、負債の内容。就職してすぐで事情が事情なので周囲にも話せず、相談できる人もおらず、日中は何事もなかったかのように仕事をして、夜は廃人のように夜の街を彷徨っていました。
そんなとき、助けてくれた人がいました。たまたま食事をしているときに声を掛けられた男性で交際に発展しました。精神的に助けてもらいました。今思うと歳上の彼に父親を求めていたのかもしれません。彼と結婚し子供を授かりましたが、生まれてすぐに彼が離婚歴や子供について戸籍を転籍してまで隠していたことが発覚し心も身体もボロボロになって離婚することとなりました。
それから、二度と思い出したくない母子家庭として子供を育ててきました。幸いに仕事はうまくいき、収入や仕事の内容、人間関係にはすこぶる恵まれた環境にいられていると思います。支えてくれる人に感謝の毎日です。
二度と結婚はしないと思っていたのですが、たまたま共通の知り合いから紹介された男性と離婚5年目に紹介され交際期間2年程かけて慎重に関係を築いてきました。もう二度と失敗したくなかったからです。
結婚前に念の為同棲をしながら、お金や将来の展望、子供のこと色々話しながら前に進んでいました。お互いにやっていけるという決意のもと再婚したのですが、入籍して数ヶ月のときに消費者金融の明細を発見してしまいました。
バレないようにATMで返済するようにしており、ハガキなども自宅に届かない消費者金融で、借り入れをしていたようです。結婚前から借金を抱えていたようで、私を失うことが怖くて言い出せなかったそうです。
この先やっていくため、借金の総額を知りたかったのですが、彼を逆ギレさせてしまい彼が総額を教えてくれることはありませんでした。
私はもう、自分の愚かさに失望しています。そして、離婚してすぐ父親と全く同じような性格で同じような問題を彼が抱えていた事に気づきました。
あの時の同じ事を経験してしまいました。
二度と同じ思いはしないと思っているのに、二度も同じ事を繰り返している自分に嫌気が差しますし、子供を振り回してしまった事に対する後悔しかありません。
人一倍家族が欲しくて孤独で辛い思いばかりしながらも、オトナになれば楽になれると前だけを見てがむしゃらに勉強して進んできたのですか挫折感と無力感、父親へのトラウマの根深さに打ちのめされています。
どんな理由であれ、バツ2はバツ2。自分を殺すことを辞めたいです。もう、トラウマに終止符を打って自分の人生をいきたいです。
と同時にこれまで助けてくれた人に感謝しているので、何とか前を向きたいです。
私は何から始めたら良いでしょうか。
ゆきちさん
大変なことを沢山乗り越えてきましたね。
本当に辛かったと思います。
気を付けているのに・・・
注意してきたのに・・・
それでも同じような現実が繰り返されるのは、ゆきちさんの中の根っこの部分で問題が解決していないので、同じような現実がやってくるのかもしれません。
人は、愛情、共感、承認が親からもらえないまま大人になると、大人になってから他人に求めてしまう心理が働きます。
「今度こそ、上手くいくに違いない!」と無意識の内に求め続け、囚われの原因になります。
ゆききさんがやるべきことは、
“ゆきちさんの親への罪悪感を手放す”ということと、
そして、“親からもらえなかったものを他人に求めてしまう心理”から囚われていた自分を解放していくことです。
詳しく解説していきます。
親の親を引き受けてきた人が持つ「どんなにやっても不十分」という感情
本来ならば、親と子供の間には世代間境界線が引かれていることが望ましいのです。
世代間境界線とは、“親の問題は親が対処し、子供を親の問題に巻き込まない”ということです。
これは親が子供との間に引かなければいけないのですが、親自身に抱えきれない問題がある場合には、どうしても身近で逃げ場がない子供が問題を引き受けてしまうことが多くあるものです。
すると、子供は子供らしく、無邪氣で天真爛漫ではいられないのですよね。
なんとかしたい、親を助けたいと思うわけです。
しかし、当然子供ですから親が巻き込まれる問題を解決してあげることはできません。
その結果「無力感」「無価値観」「罪悪感」こういった感情を沢山持つことになってしまうのです。
こういう感情を持ったまま大人になると、苦労を知っているからこそ頑張れる!という反面で、ワーカホリックにもなりやすかったりするのですよね。
親が「常に」辛そうだと子供は「生まれてすみません」という気持ちになる
親が家で辛そうな顔をしていると、子供は親を心配します。
それと同時に寂しく、辛い思いをしますよね。
その悲しみのつじつまを合わせる為に、「自分の存在は親にとっては重荷だ」と感じてしまうこともあります。
なぜ、こんなに苦しいの?
人は長い期間感じている感情の理由を探そうとする傾向があります。
すると、全く違うストーリーを頭の中で書き換えてしまっていることも多く、実際のものよりも更に悪いダークストーリーが出来上がってしまっている。なんてこともあるものです。
ここは誤解しないでいただきたいのですが、ゆきちさんの過去の出来事が「実際のものと違っているのではないか」と言っているのではありません。
実際に起こったことは事実でしょうし、それによって辛いトラウマを持つことになってしまったのですが、何度も頭の中で再現されることにって、ゆきちさんが持つ大きな大きな「罪悪感」に“より相応しい”ダークストーリーに書き変わってる可能性だってあるわけです。
罪悪感を手放しながら過去を振り返ってみると、「私の責任ではない」「私が負うべき問題ではない」と思えるようになることで、今の罪悪感が小さくなっていくこともあると思います。

世代間境界線を意識してみることで、親の問題を自分の問題を切り離す
子供は親のために、過剰な精神的感情的エネルギーを費やすべきではありません。
心が健全な親なら、「子供が『生まれてごめんなさい』と思うこと」を決して望みません。
ゆきちさんも我が子を想えばわかるはずです。
「親が抱えている問題の責任は、彼ら自身にある」「親の問題は親に返す」
「私がどうにかしてあげなくっちゃ」はもうやらない。
その決意こそが、罪悪感を手放していく原動力となります。
言い換えると、そこまで決意しないとなかなかこのような罪悪感は手放すことが難しいのかもしれません。
全てとは言いませんが、少しでも軽くできたら、ゆきちさんにとって大きな変化の一歩になると思うのですよね。
親からもらえなかったものを他人に求める心理を乗り越える
心情的に、親を背負ってきた人はパートナーを背負うようになりがちです。
それは、説明したような、あらかじめ持っている「罪悪感」「無価値観」が原因でもありますが、
「親を救えなかったから、今度はパートナーを救うことによって、自分も救いたいから」そんな気持ちが隠されていることが多いものです。
また、親からもらえなかったものを他人に求めてしまう心理が働きます。
本来ならば、「あなたが存在しているだけでいいんだよ」というような愛情や承認を子供時代に親からもらえないまま育った場合には、私たちは、他人(親以外のパートナーなど)に「今度こそ、上手くやれば、愛がもらえるであろう」と無意識の内に求め続けることがあります。
ここを重点的に個人セッションで癒していけばいいと思いますね。

今後、癒されていくことによって、「頑張れなくなる」ような感覚になれたら、出会う人が変わるかもしれません。
私で良ければ、ゆきちさんが良い状態になれるよう、伴走させていただきたいと思いますので、公式ラインからご連絡くださいね。
↓↓↓【渡辺サヤのカウンセリング情報です】↓↓↓
■現在3月末までカウンセリングは満席となっております。
リピーター様を優先しております。4月以降の募集は決まりましたらご連絡させていただきます。
■湘南のフリーマガジン「Malia」にパートナーシップのコラム提供しています!12月号が12/2に発行されました!湘南地区のクリニックやショッピングモールにてお手に取っていただけます。読んでくれたら嬉しいです♡
■ 渡辺サヤprofileです
