コーヒーモーニング
こどもたちの現地校では、毎月最終金曜日の朝、保護者向けに”コーヒーモーニング”という催しがある。こどもたちを送り出してから、食堂や多目的室などそのときに空いている場所で、コーヒーや紅茶を飲みながら保護者同士で雑談をしたりして交流する自由参加型のイベントだ。私は他に用事があって都合が悪くない限りは、毎回参加している。というのも、毎日学校で英語で勉強しているこどもたちとは違って、私は意識して英語を話す場を設けないことには、あまり英語を話すことがないからだ。毎回参加しては、自分の言いたいことの伝わらなさに、相手の話していることの理解できなさに、もどかしさを感じるけれど、それでもめげずに参加している。
今日は、初めて話した人が多かった。今日、話をしたのはイタリア人、アフガニスタン人、ポーランド人、シリア人のお母さんたち。うちの子たちの学校は、いわゆるインターナショナルスクールではないのに、様々な国のこどもが通っている。それは、彼らの学校がカトリック系スクールであるからだ。多くのイギリス人は、同じキリスト教でも宗派が異なるイギリス国教会に属しているため、あえてカトリックスクールには通わせない。そのため、うちの学校には、イギリスと他国のハーフはいても、純粋な(という言葉もなんだかおかしいが)イギリス人はいないらしい。そんなことから、他国からの移民でカトリックを信仰している人たちが通う多国籍な学校となっているのだ。私の知っているだけでも、日本、イタリア、ポルトガル、ポーランド、フランス、アルゼンチン、ブラジル、フィリピン、スウェーデン、シリア、レバノン、アフガニスタン、と本当にたくさん。
カトリック系スクールだからといって、児童およびその家族がカトリックを信仰している必要はなく、わが家は神道&仏教&キリスト教いろいろミックスだし、少数だけれどもイスラム教を信仰している人もいる。また、授業では、キリスト教についての学習はもちろんのこと、他宗教についても学ぶ機会があるようだ。そして「私たち(学校として)は、キリスト教を信仰しているけれど、世界には様々な人がいて、それぞれの信仰を持っている。どれが正解だとか善悪だとかいうことはなく、自分とは違う考え方を持つ人たちがいる。信仰が違っても何も問題はなく、お互いを尊重し合いましょう」という方向で、先生からこどもたちに教えてくれているらしい。もちろん、本音がどうかは知らないが。
ともあれ、多神教、多宗教ミックス国家JAPAN代表としては、その教育方針はとても有難く素晴らしいと感じている。こどもたちも私も、たくさんの学びを得ることができるよい学校に出会えたと思う。せっかくいろんな文化的背景を持つ人たちと出会えるチャンスがあるので、たとえ英語がうまく話せずめちゃくちゃだったとしても、これからもめげずにコーヒーモーニングに参加し続けようと思う。
しかし、相変わらず日本人以外の人との距離感のとり方がよくわからない。日本だと、割とぐいぐいズカズカ人の心に踏み込んでいくタイプだった私も、さすがにこちらでは未だに、地団駄踏んでいる。来年は頑張ってもうちょっと踏み込んでみようと密かに目論んでいる。