見出し画像

娘の友人の家で

今日、娘は学校が終わった後、クラスメイトの家に遊びに行っていた。ちなみに、こちらイギリスでは"友達と遊ぶこと"を"プレイデート"と言う。一緒に遊んだ友人はレバノン人とポーランド人で、レバノン人の友人の家に行かせてもらっていた。いつの間にか、いろんな友達が出来て、放課後に一緒に遊ぶほど仲良くなっているんだなぁと、娘の成長に感心している。

夕方、娘を迎えに行くと、その子のママが、私も家の中に入れてくれた。すぐに帰らなくてはいけなかったのだけれど、どんなお家か見てみたいという興味があったので、少しだけお邪魔させてもらった。
リビングに大きなクリスツリーが飾ってあり、壁には幼子イエスを抱く聖母マリアの絵画が掛けてあった。娘の通う学校はカトリックスクールなので、クリスチャンであることは当然と言えば当然だ。けれど、その子はレバノン人なので、私は無意識に"ちょっと違う雰囲気"を期待していたんだと思う。"レバノン=中東=イスラム教"という、ステレオタイプからイメージする"何か"を。しかし、彼女の家庭はクリスチャンであり、イギリス生活も長いようなので、家の中の雰囲気は、いわゆるヨーロッパの雰囲気だった。

別にそれに落胆したとか、驚いたとか、そういうことではなく、"あぁ、そうか。やっぱり中東出身だからといって、全員が全員、イスラム教徒という訳じゃないんだよな。いろんな人がいるよな"ということを改めて認識した。何を当たり前のことを言っているんだ、という話なのだけれど、ステレオタイプなイメージを、実生活の中で覆すことって、ありそうでなかなかなかったりするのだ。だから、今日、娘の友人の家に上がらせてもらったことは、私にとっては、すごく意味のあることだった。そのチャンスをくれた娘に感謝したい。

帰り道、娘に何をしていたのかを尋ねたら「みんな土曜日は、それぞれの国の補習校に通ってるから『宿題多くてほんとやだよねー』って話してた。あとは学校のこととかいろいろ」とのこと。そんな話を、レバノン人とポーランド人のクラスメイトと英語で交わすようになった娘の背中が、また少し大きく見えた。そのうち、恋バナとかして盛り上がるんだろうな。いや、娘が教えてくれなかっただけで、もう今日も恋バナしてたのかもしれないけれど。