EURO2020決勝の夜の棚ぼた
EURO2020の決勝イングランド対イタリア戦が、イタリアの勝利にて先ほど終わった。
私、昔はサッカー好きだったけれど、今は完全にニワカ。ニワカにも入らないくらい、国際試合も海外リーグもJリーグも全く観なくなっていた。
イギリスに来てからも、本場プレミアムリーグの試合をテレビで観ることすらなかった。
サッカーに対しての興味が薄れていたことに加えて、わが家はBBC(イギリス国営放送)の契約をしていなかったので、観ることができなかった。
EUROが開幕してもそれは同じで、準決勝までは翌日のネットニュースやYouTubeでハイライトをなんとなく観たり観なかったり、といった具合で、そこまで真剣に観ようとしていなかった。
しかし、イングランドが勝ち進んで行くにつれて、街中にイングランド国旗を付けた車や、玄関先に旗を掲げる家が増え、試合の日には、イングランドのユニフォームを着て旗をまとった人を多数見かけるようになった。
周りでもEUROの話題をする人も増えた。
そして、そうした周りの盛り上がりに比例するように、最近、サッカーにどっぷりハマっている息子も、「サッカーを観たい」と言うようになり、私もサッカー少年の親として、この熱狂と歴史的瞬間を見せてやりたいという気持ちになってきた。
夫と相談して、これはやはり見せてやらにないかんな、ということになり、試合当日の今日になってようやく、BBCの視聴契約をした。しかも試合開始15分前くらいに。遅っ!
それでもなんとかキックオフには間に合い、家族で決勝戦を観戦した。息子は、試合開始前に自作のイングランド旗を作り、気合い十分だった。夫と私は、特にイングランド贔屓という訳ではないけれど、今現在、イングランドに住まわせてもらっているので、イングランドを応援することに。イタリアを食ってやる!という意を込めて、モレッティ(イタリアビール)を飲みながら観戦。
試合は結局、PK戦の末にイングランドは敗れ、イタリアが優勝した。眠いのを堪えて最後まで観ていた息子は、眠さと悔しさで目が赤くなっていた。
結果は残念だったけれど、サッカーの祖国で、世界最高峰の試合を、リアルタイムでその地で観戦できたことは、サッカー少年にとって、かけがえのない経験になると信じたい。
ちなみに、試合中にトイレに行きたくなり、走ってトイレに駆け込んだ息子は「おい!おしっこ!早く出ろ!」と自分で自分に突っ込んでいた。彼のアホさ加減に、ただただ笑えた。
それにしても、久しぶりにPK戦までのフル試合を観戦したら、ものすごく疲れた。観ているだけでこれほどに疲れるのなら、120分走り続けている選手は、どれほどの疲労度なのか。想像するだけで吐きそうだ。いや、想像すらできないのに、吐きそうだ。両チームの選手に、心からの拍手を贈りたい。
負けて悔し泣きする選手、勝って喜びの涙を流す選手、どちらを見ても、こちらも泣けてくる。最後のPKを外してしまった19歳の選手に対しては、完全にオカンの目線で見てしまう。はい、歳です。
そして、イングランドがEURO決勝まで行ってくれたおかげで、BBC視聴契約をするつもりのなかった夫が、契約を決めたので、私としては思いがけない棚ぼたをいただいた。
ありがとう、イングランド代表。
おめでとう、イタリア代表。