悪役は倒す前に語らせろ
あなたは何を言ってるんだ???
第83回 FFXIVプロデューサーレターLIVEを視聴した感想である。7.1以降で掘り下げるために???7.0でゾラージャのことを敢えて語らなかった???黄金のレガシーの本当の完結編???すいません、それ意味あるんですか?特にスクウェア・エニックスのような企業で。
あー、頭が痛くなってきた……って先日つぶやいた内容をもうちょっと長めに書いてみようと思った次第。
ものすごく唐突だが筆者はフィクションの魅力的な悪役が主人公と同じくらい好きだ。
カリスマ性のある悪役、悲しい過去によるトラウマor発狂により非道な行為に走る悪役、己の欲望を満たすためだけに敵陣営に所属している悪役、敵ながら高潔な精神を待ち合わせる悪役、そして自らの矮小な欲望や身の回りにしか興味が及ばない小悪党……それら全てが等しく好きだ。
筆者が好きな漫画やゲームには様々な悪役がいた。
・悲しき中間管理職
・脳筋
・マッドサイエンティスト
・洗脳、改造された元人間にして紅一点
・強者との戦いを望む者
・場違いな目標を掲げて主人公達に立ち塞がるコメディ担当
などなど……。その他にもおもしれー女や男がわんさかいた。
敵にも人間と同様に慈悲や騎士道精神を備えた者もいれば救いようもないほどのクズもいる。それらは時に主人公たちに匹敵するほどカッコいい奴もいれば残酷さが極まっていっそ清々しい奴もいたり、俗っぽい欲望(出世とか)に生きる奴もいて、敵でありながら思わず親近感を抱いてしまう事も少なくなかった。善悪という単純なアラインメントでは測れないような悪役が沢山いた。
フィクションには主人公たちに負けないくらいキャラの濃い魅力的な悪役が登場し、時には主人公を上回る人気を博す場合すらある。
ではなぜクリエイターの方々は悪役の「キャラ」にも力を入れるのだろうか。主人公が越えるべき試練として用意されたならただ強大なだけの存在であればいいではないか。それで試練としての役割は十分果たせるし、試練にバックグラウンドなんて必要はないように思える。
それに敗北=死であるフィクションなら主人公に負けた悪役はそれで出番が終わる。はっきり言ってコスパは相当悪いだろう。悪役に魅力があってなんの得がある?悪役のバックグラウンドを描写して何の得がある?
……得はある!「魅力的な悪役」という壁を越えていく主人公が更に魅力的に見えるからだ。背景を描くことによって何故敵対しなければならないのか、何故その敵に打ち勝たなければならないのか、そしてそもそも敵対する必要あるのかが明確になるからだ。敵にも出番がある以上、常時ユーザーの興味を引けるようなキャラ、背景を設定しておいて損は無いからだ(興味を引き続けられないコンテンツなどどうなるかは明白だろう)。そして「こいつは許せねえ!」「事情は分かったがそれでもこいつは討たなければ!」という主人公(あるいはプレイヤー)側の説得力ある動機づけになるからだ。……あと悪役に人気が出ればそいつ関連のグッズも売れるし。
特にグッズはスクエニにとって重要だ。「二次的著作物の企画、制作、販売およびライセンスの管理」を行うライツ・プロパティ等事業部門、「エンタテインメント製品の二次著作物等の企画、開発、制作及び販売」を手掛けるタイトーを抱えている以上、その社員一同を食わせるために魅力的なキャラを一人でも多く一次著作物(FF14等)にて創出するのがゲーム開発部門の責務になっているだろう(おそらく)。
スクエニにおけるシナリオライティングはただ面白いシナリオを作ればいいという仕事ではない。↓のような成功例がある以上、たとえ悪役でもキャラクタービジネスの観点からあわよくば人気が出るようにと考えられているはずである(すっとぼけ)。
エメトセルクについては今更筆者ごときが説明するまでもない。筆者が言いたいのは、善玉だろうが悪玉だろうがキャラに人気が出ればグッズのネタが増えていってスクエニにとって得であるということ。そしてユーザーからそっぽを向かれるようなキャラしか生み出せなければグッズの企画の選択肢も限られていき、過去にヒットした物をネタにして再生産するしかなくなる、と言う事である。
↑の扇子は再生産の代表例。「黄金のレガシー」と銘打ったグッズのはずなのに描いてあるのは暁の血盟のメンバー。コーデ以外はまさしく既存キャラを活用した再生産である。他の黄金のレガシー関連グッズもほぼ同様だ。今回の主要人物であるはずの新キャラ(トライヨラ連王国関係者)は影も形もない。
筆者は門外漢なので違っていたら訂正するが、アクリルスタンドみたいな印刷ものって元となるイラストがあれば、例えばウクラマトの物も割と時間をかけずに製造できるのでは?彼女、一応今回の主人公()ぞ?
↑のライブのアナウンスも……どうなんだろうなあ。何とも言えないな。漆黒のヴィランズのキャラが担当するのは解せないが、ウクラマトの中の人(下山田綾華さん)がスケジュールの都合で収録できなかったからやむを得ずアルバート(諏訪部順一さん)を起用、なんてこともあり得るし。
スケジュールを押さえやすいのは圧倒的に下山田さん(彼女が売れていないのではなく諏訪部さんが売れすぎてるだけ)なことを考慮すれば、ウクラマトが大不評だから代わりに過去にウケたキャラを引っ張り出してるだけとも取れるし……どちらにせよ憶測の域を出ない。プライマルズのライブに来るような気合の入った連中(オブラート)ならウクラマトのアナウンスでも問題ないと思う。
ゾラージャに話を戻そう。
彼はパッチ7.0時点においては過去も明かされず劇中で何を考えているかもほぼ分からず「はっきりした説明が無いまま死んでいったよくわからない人」というのが個人的な感想だ(過去の記事で愚痴ったけど)。
……7.0の中で全部語らなきゃダメだろ!彼を倒す以前のシーンで今の思想に至った過去を語らせたりヒカセンの超える力で過去視させたり!そうすればゾラージャと言うキャラに奥行きが出たのに!
そもそも魅力があるのか?それとも無いのか?それすらよくわからないキャラを倒してもカタルシスが小っさすぎるんだよ!!
なんなら彼に
「お前たちを討った暁には我が空軍を率い、俺の手で外つ国を悉く平らげようぞッ!」
なんてセリフを吐かせ、それを聞いたヒカセンにエオルゼア等でお世話になった人々の顔がフラッシュバックする場面でも用意すれば「そんな事は絶対にさせないッ」って思わせてゾラージャ討伐のためのはっきりとした動機づけになったんじゃないの?討滅戦後のカタルシスを少しでも稼げたんじゃないの?
死に際にアイツ「迷い続けた俺に(略)」なんて言ってたり、外征派と言う立場で「戦いの愚かさを知らしめる」とかめっちゃ気になるネタがあるのにろくに描写しないまま、つまりは彼というキャラを十分に引き出せないまま終わってるじゃん!
そう、パッチ7.0クリア勢にとってゾラージャはもう終わった人間なんだ。彼の死後に人づてに話を聞こうが後の祭り。本人から何も聞けないし、何かしてやる事も言ってやる事もできない。
あの、これってゲームのシナリオなんですよ。娯楽のシナリオなんですよ。娯楽ならなんで感動ポルノにすらなってないの???
あと7.1以降でキャラの掘り下げをやるって形は違えどFF15でやらかしたDLC商法そのまんまだよね?例え休止しようが7.1以降を遊ぶ時は月額料金を払わなきゃならないんだから。それとも形を変えた黄金秘話か???
……えーと何が言いたかったんだっけ?
・悪役は主人公と同じくらい重要なキャラだから倒す前にキャラを掘り下げてくれ。倒した時のカタルシスに差し障る。
・スクエニみたいな企業はグッズを売るため「人気キャラ」を一人でも多く必要としている以上、キャラの人気が出ない=機会損失。
・疑似DLC商法やめろ。
・Q.嫌なら辞めろ。A.もう辞めてる。
こんな感じ。以上。