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緊張に弱い人のためのマインドアップ術(1)


2月、受験シーズンもいよいよ大詰めとなる。
当日のことを考えただけでお腹が痛くなるというタイプの人もいるだろうと思い、何かのお役に立てばと思い書き始めてみる。


この記事では「緊張」についての考察、原因について考えながら、どんな結果を得たいのかを明らかにし、成功に向けて、ご自身のヒントを探って頂けるようにしたいと思う。

※忙しいからすぐに結論が知りたい方は、こちらへ。


1.緊張するとどうなるか

「あがり」「緊張」の悩みは、多くが人前に出る機会に起こりうる。
当日の事が不安で、夜もあまり眠れなかったり、ひどい場合は体調を崩してしまったりもする。

「緊張すると全然吹けなくなるんです」
生徒さんにこんな演奏の悩みを打ち明けられることはとても多い。
それゆえ、せっかく楽器が吹けるのに、人に聴かせるなんて、とても…と怖気づいている人もたくさんいる。

演奏では「緊張でボロボロになる」という風に表現されることが多い。
・身体が硬直
・汗だくで指先はキンキンに冷たい
・音(声)が震える
・頭の中は真っ白
聴衆の面前で無残なパフォーマンスを披露し、地獄を見る。

同情のまなざしを向けられ、深く傷つき、情けなさと恥ずかしさで、もう二度と人前に立つまいと固く誓うのだ。

2.緊張によるパフォーマンスの低下

しかし、練習通りに、練習以上のパフォーマンスを発揮できるなんて人はなかなかいないと思う。
それは、とても難しいことなのだ。

分かりやすい例でいうと、フィギュアスケートや、体操などの演技が似ている。
何度も練習を積み重ねて、大舞台に立つわけだが、イチかバチかの大ワザが決まらなければおしまいという厳しい勝負の世界だ。

周囲の期待を一身に背負い、不断の努力を続け、ベストを尽くしてさえ、最高のパフォーマンスを発揮することは容易ではないのだ。

彼らが努力を怠ったなどと、あなたは思うだろうか。
そんなことは決してないはずだ。

しかし、我が事となると、努力が足りなかったせいだ、と自分を責めてしまう人がほとんどだろう。

3.緊張しない人とはどんな人?

人前に出るのが大好きで生きがいだ、と言っている人すら、本番のパフォーマンスがコントロールできているとは限らない。
そういう人は、失敗しても気にしないタイプか、失敗から目を逸らしているかのどちらかだ。

中学生ぐらいまでの子供に関してはその限りではない。
失敗の経験が少なく、失敗の怖さを知らないから、緊張よりも楽しさの方が勝る。
自分には無理なのではないか、という疑いを持たない。
根拠のない自信というやつだ。

高校生くらいになると、努力をするということを学ぶ。
そうすると、努力に見合った高い成果を得ようとし始める。
自分の中でのベストを発揮したいと考えるようになる。
しかし、様々な条件が重なり、ベストではない結果を人前で晒してしまうこともある。
大きな失敗は、本人にとって大きな傷となる。
痛い経験を積むことで、緊張の度合いが高まっていく。

積み重ねた努力の時間がそのまま、失敗への恐怖につながっていくことになるのだ。

4.緊張の原因を探る

緊張してしまう原因はいくつか考えられる。

・準備不足からの予期不安
・自分にとって目標が高すぎる
・失敗が怖い
・過去の失敗のトラウマから抜け出せない

あなたの場合はどうだろうか。

質問1:あなたの大失敗した経験はいつですか?それはどんな失敗でしたか。
質問2:あなたが大成功した経験はいつですか?それはどんなことでしたか。

5.緊張を克服するために自分と向き合う

自分にとって何が緊張の原因なのかを深堀することも、役に立つ。

失敗した場合に自分にとってどんなリスクが伴うのか、冷静になってじっくり洗い出してみるのだ。

【ケース1:スピーチ】
結婚式などのスピーチを頼まれたAさんを例にとってみよう。
人前で話すのがとても苦手なAさんだが、大親友にぜひにと頼まれ、スピーチを引き受けることになった。
Aさんは、マイクを持ってお祝いの席で話さなくてはならないと考えただけで、夜は眠れず、考えただけで動悸がするくらいだ。
せっかくのお祝いだから、親友を喜ばせてあげたいし、いい話をしなくてはと懸命にスピーチ台本を書いた。
しかし、本当に喜んでもらえるのか、不安はつきない。

Aさんにとっての「最悪の場合」をイメージしてみよう。
・手足が震え、声が震え、喉がカラカラになる
・台本を見ても頭が真っ白になって
・しどろもどろになってしまう
・挙句言いたいことが伝わらず
・微妙な反応しか得られない

こんな感じだろうか。

Aさんにとっての「失敗のリスク」とはつまるところ何なのか。
1)失敗したら恥ずかしい
2)失敗したら友達を喜ばせられないかもしれない
3)失敗したら一生後悔する
このくらいではないだろうか。
そして割合から言って、ほとんどは「1)失敗したら恥ずかしい」に尽きるのではないだろうか。

こうしてみると自分の緊張の正体が見えてくる。
すると「ああ、自分は恥をかくのが嫌なのか」と冷静に考えられるようになる。

質問3:あなたにとって「最悪の場合」どんなことが起きますか?
質問4:あなたにとって「失敗のリスク」は何ですか?

【ケース2:面接】
明日大事な面接などを控えているBさんのケースを考えてみよう。
この日のために入念に準備をしてきたが、いざとなると緊張したあまり言うべきことが飛んでしまい、汗だくになり、赤面し、しどろもどろの応答をしてしまうのではと恐れている。

Bさんにとっての「最悪の場合」とは?
・うまく話すことができない
・落ち着きのない態度になってしまう
・自分らしさを表現することができない
・面接官に気に入ってもらうことができない
・結果、面接を不合格になる

Bさんにとっての「失敗のリスク」とは…
1)自分の希望する進路や就職先に進むことができない
2)人生に希望が持てなくなる
3)自信をなくす

自分らしさが発揮できずに、失敗してしまうことで、人生が空回りしてしまうのは、とてもつらいことだと思う。
緊張が人生を左右するとなると、ますます緊張が怖くなってしまう悪循環が起きるのだ。

こんな時でも堂々と自分を表現できる人もいるだろうが、そういう人ばかりではない。つまり、緊張=不採用ということではない、と冷静に理解することも助けになる。

これまで、緊張する場面の例を挙げ、分析してきた。
さてそれではどうすれば緊張を克服して自分のベストパフォーマンスを発揮することができるのだろうか。

次の記事ではそれについて述べていこう。


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