Izumin_Flute

note初心者。音楽家。文章を書くのはすき。仲良くしてね。

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最近の記事

私のフルート人生(8)

新たな目標話は前後しますが、ちょうどアメリカ行きの準備をしていた頃のこと、ひょんな事からとあるポピュラー・バンドの活動に参加させてもらうようになりました。最初は興味本位だったのですが、あまりにも楽しくてすっかりハマってしまいます。 もともと私は過激なロックやヘヴィーメタルを好んで聴いていて、我ながら真面目にクラシック音楽を吹いているのが不思議なくらいでしたから、ポピュラー音楽を演奏する事への抵抗感はあまりありませんでした。 このバンドで私は初めて即興、所謂「アドリブ」に取り

    • 私のフルート人生(7)

      音楽からの逃亡帰国早々、疲労のあまり、ふくらはぎを肉離れしてしまいました。しかも悪くこじらせてしまい、松葉づえ生活が思いのほか長引いて、唯一の取り柄であった「体力」に不安を覚えるようになります。 この頃から私は、段々と自暴自棄になってしまいます。いつまでもスネをかじっているので両親には「早くフルートなんかやめて就職せよ」と言われていました。一応、色々と職探しもしてみるのですが、自分の経歴では普通の就職はまず無理であることは明らか(当時)。それに、もう「経験無し」が通用する年

      • 私のフルート人生(6)

        夢をあきらめる実家暮らしとはいえ、フルートの収入は安定したものではないので、アルバイトもしてお金をためて、それでも足りなければ借金覚悟で留学しようと考えていました。英語の猛勉強もしました。アメリカは大好きだし、何人かの友達がそうであるように、向こうに永住できればいいなと夢見ていました。 とはいえ、目標の学校は余りにも狭き門だったので、一応他の学校も考えておいた方が良さそうでした。そこで、すでにボストン郊外の大学に留学中の友人を頼って、D先生の夏期講習会に参加してみました。こ

        • 私のフルート人生(5)

          自分の限界点に立つ芸大では誰も彼もみんな朝から晩までがむしゃらに練習しまくっていて、お互い良きライバルであり、兄弟の様に仲が良かったのです。私も居心地良く、思う存分練習しまくり、毎日がとても充実していました。 ここでも私は生涯の師である先生方との素晴らしい出会いに恵まれます。演奏技術にコンプレックスを持ち続けていた私も、やっと基礎工事にメドが立ち、学生生活の集大成となった訳です。 所変われば品変わる、と言いますが、 芸大には自己主張の強い人間が集まっていたので、 私などか

          私のフルート人生(4)

          人間性を叩かれまくるしかし人生そう甘くはなく、二浪しても芸大には受かりませんでした。私立の音大に合格していたので、長かった受験生活はもう終わりでした。私もやっと大学生になれた!本当に嬉しかったです。 大学では、N先生との素晴らしい出会いが待っていました。「プロになりたかったら一日4時間は吹いてね。」開口一番そう言われて、私は毎日その時間をこなす事に必死になりました。それだけでも十分忙しいのですが、演奏会にも片っ端から行きました。その上バイトを4つも掛け持ちしていたのです。

          私のフルート人生(4)

          私のフルート人生(3)

          初めての挫折芸大の課題曲が発表された時点で、混乱が始まりました。「頑張っても手が届かない」という現実に産まれて初めて直面したのですから。どちらかというと優等生路線を歩いてきた私は、今までどおり「頑張れば」芸大にいけるのだろうと漠然と考えていたのですが、いくら練習しても進歩がないので、先生も打つ手がなく、困り果てていました。 実力が及ばない事の他にも、問題がありました。反抗期で、私は5年間くらい、ほとんど両親と会話をしていませんでした。プライバシー死守のため、家では楽器の音を

          私のフルート人生(3)

          私のフルート人生(2)

          目立ちたくて、でもなぜかフルート 中学一年生にしてようやくフルートを吹き始めましたが、極めて普通のブラスバンド部だったので、練習なんてテキトー。吹くのも「ドラえもん」「犬のおまわりさん」とかそんなものです。それでも、ちょっと背中を丸めたり腕が下がったりしていると、センパイに厳しく直されました。最初はずいぶん、背中や腕が痛かったのを覚えています。 ところで私は、合唱の「伴奏ピアノ」の練習に夢中になり、土日になると食事以外はずっとピアノの前に座っていました。それに比べてフルー

          私のフルート人生(2)

          私のフルート人生(1)

          フルートとの出会い~偶然?必然? 小さい頃から音楽に憧れを持っていた私でした。 当時は習い事といえばピアノ、一家に一台ピアノがあった時代です。近所の友達はみんな幼稚園の頃からピアノを習っていて、とてもうらやましかったのです。 小学一年生くらいのとき、私の家にも足踏みオルガンがもらわれて来ました。叔母のお古のバイエルを見て自分でドレミを覚え、ガタガタ弾いていました。それが私の音楽の原風景です。 初めてフルートを見たのは、小学校の音楽室でした。音楽クラブに所属しているクラス

          私のフルート人生(1)