私のフルート人生(2)
目立ちたくて、でもなぜかフルート
中学一年生にしてようやくフルートを吹き始めましたが、極めて普通のブラスバンド部だったので、練習なんてテキトー。吹くのも「ドラえもん」「犬のおまわりさん」とかそんなものです。それでも、ちょっと背中を丸めたり腕が下がったりしていると、センパイに厳しく直されました。最初はずいぶん、背中や腕が痛かったのを覚えています。
ところで私は、合唱の「伴奏ピアノ」の練習に夢中になり、土日になると食事以外はずっとピアノの前に座っていました。それに比べてフルートの方はあまり愛着を感じてはいませんでした。ブラスバンドでは成り行き上吹いていましたが、フルートなんて音も小さく、目だてないので、いつもカッコイイ打楽器などに羨望のまなざしをおくっていました。鬱屈した目立ちたがり屋だったのです。
高校ではスポーツ部に入るつもりが、色々あって、結局またブラスバンド部でフルートを続けます。高校でも「目立ちたい、でもフルートは聞こえない!」というジレンマにイライラし続けることになったので、演奏会のアンコールで男装したり、文化祭で叩けもしないドラムを叩いてみたり、かなりの傍若無人ぶりを発揮していました。 ずっとこんなおめでたい人間でいられたら良かったのですが・・。
それまではマイナーチョイスで何となくフルートを継続してきた私でしたが、高校2年生を目前にした春、フルートのN先生に出会います。プロの音色にカルチャーショックを受けた私は、突如として猛然とフルートおたくのロードをひた走り始め、夏を待たずして芸大受験を決意、先生を困惑させたのでした。そして長~い受験生活が始まったのです。
◆気づいた事「目だてなくても吹いていたんだから、本当は好きだったのかも。」
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