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ホン日のおすすめ:「知っておきたい『がん講座』」

時間がある時は、とにかくインプット&アウトプット。どんなジャンルでも、どんなボリュームでも。今年目標にしていることの一つです。

さて本日は、すでに身近な病となった「がん」についての本。

がん

身近な病となってきたとはいえ、いまだがんは――という認識の人も多いですよね。しかし早期発見で3年後、5年後生存率がどれほど変わるか。そのことについては知らない人も多いのではないでしょうか。

そして、がんになったら仕事はやめないと――そう考える人も多いかもしれません。治療に専念しなくては。治療中は働けないし、と。少し元気になったとしても、がんの治療中だとまた就職って難しい?など。

その為には、本人はもとより、受け入れる会社側の知識や認識を深めないといけない部分があります。病気になった=退職しなくてはということではなく、病気と生きる、治療をしながら前を向いていくという大切さを、世の人はもっと勉強するべきだと思います。

治療をするにも、生きていくにもお金がかかります。働かない=お金が入ってこないでしょ? 保険や貯蓄で賄える人ばかりではないのです。だからこそ、「病気と共に」生きていくためには、どうしていくか。どんな治療をしながら、どんな病状と向き合いあながら、ともに生きていくか。そういう社員を抱えた会社は、どう対応していくか。どうサポートしていけるのか。そういったことを考えさせられるのには、良い本だと思います。


実は私の叔父も、2年前に胆がんで亡くなりました。病気が発覚された時には、ステージ4の末期。最初は余命3か月といきなり診断されました――父を(くもまっかでしたが)病気で亡くしてから、父親のように私たちを可愛がってくれ、私の息子も実の孫のようにかわいがってくれていた叔父。正直、ショックでした。聞いた私がショックを受けたくらいです。告知された叔父は、どれほど。そう思うと今でも胸が詰まります。

でも、叔父は諦めませんでした。その叔父と似て諦めの悪い私たち家族一同は、セカンドオピニオンで専門病院に紹介状を書いてもらい、行きました。すると、「このまま治療をしなければ、1年後は確実に生きていません」と先生は言いました。最初の病院と言っていることが違う!セカンドオピニオンは大切ですね。

確かにステージ4という状態なので、先が見えている命なのかもしれない。でも、本人の意思がどうなのか――まだ諦めずに少しでも治療をしてみるかどうか。そういう状態でした。叔父は、治療をする道を選びました。そして少しづつ準備をして、最後は1週間ほど入院して、10か月後に息を引き取りました。無理をせず、叔父のペースで。その10か月の間には、薬のせいで味覚が変わってしまったり量は食べられないけれど、みんなが食べているのを見るのが好きだと、何度もみんなでワイワイと食事もしました。元気な時には、お話も。たくさんしました。

一般の人には、医療的知識はありません。そりゃ調べたら「詳しく」はなるかもしれないけど、「専門家」ではないんです。だから、結局は治療についてはお医者様に頼るしかありませんでした。でも出会った先生たちには、本当によくしていただきました。無理をさせず、体調を見ながら治療方針も家族にちゃんと話し、メンタル的な部分もケアしてくださり――最後見送る時も、病棟の看護婦さんたち、先生たちが全員で見送ってくださった。10か月の間に、担当の先生や看護師さんたちとの信頼関係のようなものも生まれていたのでしょう。だから信じて、時には体調が悪くなるような治療も、嫌がらずに受けることができたのだと思います。

この本にも書いてありますが、私もエビデンスのない治療方法はおすすめしません。「私はコレで治った」「自然療法うんぬん」など。「このサプリメントを飲んだら治った」など。精神的に弱った所にするりと入り込んでくる不確かな方法はおすすめできません。そこのところは、是非本を読んでみてくださいね。

本には、検診の大切さや病気との向き合い方、そもそも抗がん剤の役割とは、のような基本的なこともたくさん書いてあります。

がんは、もはや「他人の病気」ではありません。いまや20代の方のがんや小児がんなど低年齢の方が患われることもあるし、北斗晶さんなどのケースもみられた乳がんなども多いです。(乳がんは男性もかかりますし!)生活習慣病(糖尿病など)からの発がん率なども向上していますし、何がきっかけでがんになるか、はわかりません。

自分かかかった時。家族がかかった時。大切な人がかかった時。その時の為に。そして早期発見、定期検診の大切さ。予防するには何ができるのか。その時の為にも、是非読んでほしい一冊です。


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