『未来を変えるコーチング』
株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン様より、6月新刊のモニターをさせてもらった。
コーチングにはこれまで興味を持ったことがなく、全くの無知だった。が、なんとなく今の私に必要なのでは?という予感がして応募したところ、ありがたいことに当選。
サバティカルタイム中の私には、ぴったりの本だった。
この本は、AからZまでのアルファベットで始まる英単語をキーワードとした26章で構成されている。ただし、コーチングについての知識をAから順に得ていくわけではない。(なので、コーチングを1から勉強したい!という人には向かないかも)
著者のこれまでの経験の中における対話を一緒に振り返ってみて、なるほど、こうやって解決の方向へ進むんだ!これがコーチングなんだ!という気づきを得られるもの、だと思う。
1つの章は10ページほどと短く、分かりやすい文章で書かれており、コーチングについて何も知らない私でもあっという間に読んでしまった。
読み終わって私は、コーチングについて温かな、なんだかふわっとしたイメージを持った。コーチング=ぐいぐい導いていく、というような強引なイメージをこれまで抱いていた。
コーチングをしっかり理解したわけではないけれど、自分がこれまで勉強してきたカウンセリングにつながるところもあると感じ、もっと学んでみたくなった。
それぞれの章は、著者の幼少期からの家族や友人との温かい体験談→実際のクライアントとの対話と理論的な説明→重要な箇所の抜粋→「自己対話のためのヒント」読者が自身を振り返るワークショップ、という流れで構成されている。
どの章からでも読み始められるようになっている。私は気に入った章を何度も読んでいる。(覚書:Already、Care、Know、Look、Might、Suppose、Useful、X on a Scale)
この本の核となる、著者が導き出した「リスニング・コンパス(聴き方の羅針盤)」という考え方は次の通り。
日常生活の中ではつい「辛かった過去」や「望ましくない未来」に目が行き、ネガティブな言葉を使ってしまう。そしてどんどん不安が大きくなり、八方塞がりになってしまう。
息子が不登校になったときはまさにそうだった。「望ましい未来」なんて来そうにもない、と。
それが、これまでにすでに経験してきた「充実した過去」に視点を置いてみると、小さな変化や前進を見つけることができる。そこが出発点となる。
そういえば、息子のわずかな変化を、家族はもちろん、息子に関わるいろいろな人に見つけてもらって、ここまで進んでこられたのかもしれない。
全部やるにはとても時間がかかりそうな26のヒント。正直、かなり難しい質問も。
それでも、これをやり切って自分自身をじっくり振り返ることができたなら、有意義なサバティカルタイムだったと自信を持って言えるだろう。
ビジネス、子育てや身近な人とのコミュニケーション、自己内省にも使えるコーチング。
すぐに応用できるわけではないけれど、これからは過去に起こった、あるいは今起きている“問題”ではなく、今、そして今後大切にしたいものは何か、ということに目を向けられるような気がする。
こうやってnoteで息子の不登校について振り返っていることは、コーチングの働きをしているのかもしれない。
最後に、私が仕事で一番大切にしたいと思ってきたことと重なる文章を紹介する。
この本で勉強したこと、仕事を再開したときに活かせそうだな。
カウンセラーの仕事をお休み中の私には、大変ためになる本だった。実は仕事の復帰についてこれまで考えることができなかったのだが、こんなふうに思いを巡らすことができた私自身、望ましい未来への一歩を踏み出せたのかもしれない。