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こ う よ う の し ず く 🍂
今日は日差しが程よくあたたかい
風が弱めに吹いてはいるが、これが少し冷たく心地よくかんじた
そんなことを思いながら歩いている男に、軽くぽんと落ち葉が肩をたたいてきた🍂
見上げてみると、黄葉の屋根が上空をおおていた
み て み て 葉 が 秋 の 色 に な っ た よ 撮 っ て ね 🍂
男が耳をかたむけると、黄葉たちの声が聞こえてきた
さらに黄葉たちが地上にかえってきた
男はスマートフォンでシャッターをきった
「 黄葉の時雨 という題名の写真を載せたいな」
何回かシャッターをきるも、空をおよぐ黄葉は2〜3枚ほどしか写らない
男は少し苛立った
「おいおい足りないよもっと降ってきてよ」
……
ゆっくりと
〜🍂
ゆっくり、ゆっくりと
〜🍂 〜🍂
おだやかに、やすむように、おちてきた
〜🍂 〜🍂 〜🍂 〜🍂
それを眺めて男はなぜかほっとした気持ちになっていた
「まっ、少なくてもいっか」
男は 黄葉の雫 という題名で写真を載せた
……
ひとつだけ男には気づかなかったことがあった
ほんとうに
黄葉たちは撮ってほしかったのか?
見栄えのする写真を撮ることばかり気にしている男に
思いやったのではないのか?
ほ ら 、 も っ と 肩 の 力 を ぬ い て い い ん だ よ 🍂
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