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中医学でみる「心」のはたらき。こころにも関係があるんです

「心」こころじゃなくて「しん」と読む


「しん」とは、心臓 のこと。

実は こころ にもとても関係があります。
え?心臓なのに? と思われた方も多いでしょうか?

そのあたりを理解するため、本題に入る前に
中医学における内臓の名称についてもう一度おさらいしますね。


西洋医学の内臓 
解剖学的に「物質」としての内臓を指します。

中医学の内臓
「物質」「内臓のはたらき」「生理機能」も含みます。

同じ名前であっても、指している内容が違うなんて
ややこしい~  ですよね。

これは、最初に海外からの解剖学用語を翻訳する際に
もともとあった、中医学の臓の名称が使われたためです。

中医学→観察ベースの治療で作った学問
西洋医学→解剖ベースの治療で作った学問

どちらが良い悪いではなく、考え方の違いなので
その時々で選んで活用していくのが良いかと思います。



中医学の五行学説
あらゆる事物や事象を【木、火、土、金、水】の五つに分ける考え方 

五行学説の分類

これをもとに
先月は「肝」について、3回に分けてお伝えしました。


今回は「心」についてです。(やっと本題💦)

早速、主な働きについてみていきましょう。


1.血を送るポンプ(血脈をつかさどる)


・血脈をつかさどる とは?

血脈=気血が運行する通路

「心」がポンプのように拍動することで、【血】は全身の脈中を運行できます。

その正常な拍動のために大切なことが
「心」の【気】の充実 と 充分な量の【血】 です。


2.神志を主る(つかさどる)

これは中医独特の考え方です。

神=意識
志=思考

精神・意識・思考活動を担当し、コントロールしています。

様々な臓からあがってくる感情=「志」を統括するのが「心」。

落ち着いてものを考える,理解する,記憶する,眠る・・・と言った働きをしており、西洋医学で言う「大脳新皮質」の働きに近い とされています。

そしてこの活動は「血」を燃料として行われます。

正常な考え,眠り,物覚えなど
「心」や「血」 どちらかが不調でも、これらが乱れてしまうのです。

3.「志」 は 「喜」

「志」 とは、その臓と関係の深い心理活動のことです。
2.の 神志 にもあったように、思考であり、分かりやすく感情ともいえるでしょうか。

適度な「喜」は「心」が健康に活動するために良しとされています。

喜び ならば、たくさんでも良さそうな感じがしませんか?
でも実は、ここが要注意!

喜び過ぎ=躁 状態 
正常な判断が出来ない状態 とも言えます。

何事も 過ぎたるは猶及ばざるが如し のようです。

もうひとつ大事なポイント。

それは
質の良い眠り です。
ここを疎かにすると、「心」が弱り、判断力が鈍る と言われています。

4.「液」は「汗」

「液」 とは、体に必要な液体(うるおい)の中で
その臓と関係が深いもの
のことです。

汗は『ひやりハッ!と』した時によく出ますよね。
これは精神状態と関係が深いからです。

中医学では、汗は脈間の中を流れる「血」からでてきたもの
『汗血同源』 と言われています。

「心」は、血を送るポンプの役割がある臓。
だから、「血」を送り出す「心」の状態が大切 なんですね。

ちなみに
これから迎える夏本番は、「心」 と関係が深い季節 です。
最も負担がかかりやすくなります。

汗をたくさん掻くと、デトックスになるような気がしますが
(私はそう思っていました)
掻きすぎは体にとって負担が大きいです。

特に、私のような更年期世代は要注意!
体の様々な潤いが減少してくる傾向が多いので、汗の掻きすぎは更に乾燥が増して余計な熱を生み出してしまいます。
(このあたりはまた別の機会に)

体を守るためにも、「心」を守るためにも、汗はほどほどに。。


今回はここまでです。

近日中に「心」の養生にオススメの食材などをお伝えする予定です。


YO

#中医学
#身体ケア

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