高価なものは良いものである?
一言でいうと
思い込みは味をも変える
活用シーン
マーケティング
内容
2001年フレデリック・ブロシェが行った実験。
ボルドー大学でぶどう酒学(ワインの鑑定と醸造を研究する学問)選考の学部生54人に対しワインのテイスティングをさせた。
A:白ワインを着色し、赤ワインに見せたもの
B:普通の赤ワイン
結果、54人の学生のうち、一人もAを白ワインだと見抜けなかった。
さらに次の実験では、専門家に赤ワインの日本のボトルを評価してもらった。一本は高価で、一本は安いワインのパッケージだったが、中身は同じものに入れ替えられていた。
結果被験者は、高価なボトルに入った安ワインに、「複雑でまろやか」と評し、安いボトルに入った安ワインには、「水っぽい」「酸味に欠ける」などと酷評した。
『思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方』
デイヴィッド・マクレイニー (著),
この手の実験は数多く事例があります。
関連した話で言うと、「ペプシチャレンジ」なる広告戦略はビジネス書でもよく紹介されています。これは目隠しをして、ペプシとコカ・コーラをテイスティングさせる。はじめは、ペプシがおいしいという評価だった。
コカ・コーラ側は、これに対抗して、この目隠しテイスティングで美味しいを言われる”新”コーラを開発された。結果、売上げは惨憺たるもので、急遽コカ・コーラ側は従来の「まずい」コーラに戻すことで、売り上げは回復したと言います。
面白いですね。
コカ・コーラの話で言えば、比べて美味しいとかそうでないとかいう問題ではないんでしょうね。絶対的な良し悪しはともかくとして、コカ・コーラはあの味ではなければならないのかもしれないし、あのパッケージの飲み物はマズかろうがなんだろうが、古くからのコカ・コーラの味でなければならない、という思い込みからずれてはいけないのかもしれません。
冒頭の、ワインの話も興味深い。私たちの味覚というのはけっこうあいまいなもので、実は美味しいかどうかを、味だけではなく視覚や過去の記憶から思い起こすイメージなどを総合的に判断しているのかもしれません。
たとえば、パッケージを変えるとおいしく感じることがあったり、ネーミングだったり、CMをするタレントのイメージなども影響するかもしれません。食品を扱うビジネスは、味だけを追求しても意味がないのかもしれません。
もう一つ、個人的に感じることがあります。たとえば、セミナーなどの価格設定は無料や安いセミナーで来場する客層と、高い料金設定で来場する客層は明らかに違います。後者は、セミナーの内容がほどほどでも自ら学ぶ思いを持っているケースが多いのではないかと思います。場は明らかに高いほうがいいように思います。
つまり、価格設定もまた、総合的な考察が必要なものなのかもしれません。価格そのものが価値という商品もきっとあると思います。そりゃあ、新車価格200万円のフェラーリや、3万円のシャネルのバッグが販売されても、きっとそこに価値を感じられる人は少ないでしょう。仮に中身が同じであっても、2000万円のフェラーリであり、30万円のバッグでなければ意味がないのかもしれません。
ワタシ、こんな本書いてる人です(^^)/
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