組織の雰囲気がスペースシャトル「コロンビア号」を爆発させた!?
一言でいうと
エンジニアが問題を発見していたのに、その危惧が上層部に伝わらなかった原因は組織の「雰囲気」にあった
活用シーン
組織マネジメント、心理的安全性、学習する組織
内容
2003年スペースシャトル「コロンビア号」は大気圏に再突入する際に燃え上がり、7人の宇宙飛行士全員が命を落とした。
実は、16日前のシャトル打ち上げ当初、その兆候をエンジニアは察知していた。打ち上げ時のビデオ映像には、シャトルの外部燃料タンクから剥がれ落ちて左翼を直撃したと思われる断熱材の破片の大きさと一について深い懸念を抱いていた。
しかし、映像が不鮮明なため、より詳しい情報が欲しいと思った。
エンジニアは、まずその情報収集の必要性を訴える電子メールを直属の上司に送り、緊急であることを強調した。(上司からは良い反応はなかった)
結局、エンジニアは職を失うことをおそれ、定例会議でも話すことをやめ、誰か影響力を持つ人が指摘してくれることを待ったが、その機会はなかった。
その結果、冒頭の事故が発生してしまった。
後にエンジニアはニュースのインタビューで、「なぜシャトルの安全性について懸念を述べなかったのか?」と聞かれてこう答えた。
「そんなことはできませんでした。私がいるのはピラミッドのずっと下のほう……そして彼女(チームのリーダー)ははるか上の人ですから」
『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』
エイミー・C・エドモンドソン (著)
このような人の命が係わる事例でさえ、人は自分の身の危険を感じると、率直な意見が述べられなくなります。
このコロンビア号の事例のみならず、様々な大事故の背景には、このように「現場の社員が上に報告を上げられない」状態だったり、「報告が上がっても無視される」状態だったりという状況が潜んでいることが多いように思います。
だから、心理的安全性を高めて、組織の風通しを良くしよう、ということがいわれています。
実はこれは組織の末端だけに限らず、幹部クラスの人もそういった状況に陥っていることはけっこうあるようです。組織的な不祥事隠しなんて言うのはその代表かもしれません。
そもそも今の社会、心理的安全性が非常に低いような気がします。
ちょっと意見を言えば、批判の嵐。
ちょっと他人が違う考えであれば徹底的に排斥。
マスコミによる糾弾。
今、経営の世界では割と重要視される「心理的安全性」ですが、もしかしたら社会そのものに、この心理的安全性がもたらされる日が来るといいな、なんてふと思ってしまいました。
で、これとは関係ないですが、私も本を書いてます(^^)/
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