雨の音に身を任せ #描写遊び
じっとりと湿気を含んだ空気が肌寒くも寝苦しい。
うつらうつらと浅くまどろむ眠りのなか、窓にたたきつけるパチパチいう水音がかすかに聞こえる。
ああ、そうか梅雨が訪れたのか‥とぼんやり思う。
寝床に横たわりながらふと見た時計は午前4時をさしていた。
カーテンをチラリとめくると外は雨煙と白く細い細かな筋の結集で視界が埋もれている。
数メートル先の小さな民家の姿はすっかり見あたらない。
目が覚めた私は、横たわりながらも静かに音へと耳を傾ける。
サーっと途切れることなく一定のテンポが連なり続ける。
誰1人いないこのリズムの世界は包まれるような心地よさ。
あぁ、意識がフワフワとサラサラとこぼれ落ちていく…
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眩いばかりの光で目を覚ました。
あれから眠りについていたようだ。
むくりと起き上がり、カーテンを開けばすっかり雨は上がっていた。
雨つゆは陽射しをうけてキラキラと光を放つ。
どうやら久しぶりの晴れ間が到来したようだった。