新刊 ・ 『 カッコウ、この巣においで 』(集英社文庫)発売のお知らせ ・ 4
ただいま発売中です!
本日はこちら、遠田潤子先生にいただいた帯コメント&書評について。
こちらは集英社さんの読書情報誌・『青春と読書』の「本を読む」コーナーに記載されております。
もう本当に光栄であります……嬉しくてちょっとこそばゆい。
自分の書いたものは当然自分が最初の読者なのですが、人様からいただく評や感想は、自分が書いていても読んでいても全く気づかなかったところにふんわりと降ってくるあたたかい雪のようで、いつもどきりと嬉しい驚きがあります。
そういう読み方があったのだなあ、そこにこころを留めてくださったのだなあ、と新鮮な思いで新たに自分の物語を遠くから眺められる。
何度やっても、素敵な体験です。
遠田先生は大阪生まれで今も大阪にお住まいだそうで、ご著書に出てくるキャラの大阪弁がものすごくすんなりと音で脳内に入ってくる。気持ちが良いです。
関西の方に読んでいただけたのもとっても嬉しい。
ちなみに遠田先生の作品を何冊か拝読した中で、一番いろんな意味で「コワっ……!」となったのが『イオカステの揺籃』(中央公論新社)。
上のページの「男の子なんやね。本当によかった」の一言を見ただけで読書時のあの戦慄が甦る……。
まず「親夫婦&息子夫婦(妻妊娠中)」の関係からスタートするんですが、読み始めてしばらくは、「母親が『こわいひと』だ」と思いながらページを繰っていたんですよ。けれどもだんだんと、「この人もちょっと……」「いや、アナタもそれはどうなんかな……」と、最初はまるで普通に見えた登場人物さえもが皆、少しずつ歪みを抱え込んでいる様子が見えてくる。
そして、当初は「これがメインになるんだろう」と思っていた、いわゆる「嫁姑問題」「母と妻にはさまれる息子問題」がどんどん小さくなっていって、もっと遥かに根深い、地の底にびっしりとひろがる薔薇の根っこのような人の愛憎が浮かび上がってきます。
ラストは、ひと段落は確かについていて、今後の見通しも立ってはいるのだけれども、この境地にたどりつくまでにはあんなにもたくさんの犠牲が必要だったのか、と思うと慄然とします。その「薄明るい感じ」も凄く良いです。
必読、と言いたいところですが、「来週カレ(ひとり息子)と結婚します!」「来月、義実家にとっての初孫(男子確定)を産みます!」なんて女性は読むととってもコワくなってしまうかも……。
それにしても今回、帯に推薦文が入るというのが初めての経験でとても嬉しゅうございました。
遠田先生、本当にありがとうございます!
先生の推薦文を読まれて少しでもご興味のわいた方、こちらから試し読みもできますのでぜひ!
なお、今までの作品はこちらから。
試し読みもできますのでぜひ。
『 雨音は、過去からの手紙 』(マイナビ出版ファン文庫)
こちらKindle Unlimited版もございます。
『 世界の端から、歩き出す 』(ポプラ文庫ピュアフル)
こちらもKindle Unlimited版がございます。
『 真夜中のすべての光 上下巻 』(講談社タイガ)
『 この季節が嘘だとしても 』(講談社文庫)
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