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父親が背負う物
和尚妻ルコです
この話は前作の続き。だけど今回だけでも何となく読める日記です!
寺の息子と結婚が決まり
彼の家族から結納をしてから結婚式と言われ、
やりたくない私は悩みに悩みどうしたらいいかわからなくなって1番相談したくない父に会いに行きました。
その理由はいつも私が話すと、
『くだらん話をするな』と怒るので中学生位からだんだん苦手になってきて、今までよほどのことがない限り父と話す事はありませんでした。
でも今回ばかりはね、、、。
私⭐︎ 『先日帰国の挨拶に彼の所にいって今後の相談をしてきたけど結納をしたいといわれました。そして着物やら色々揃えて欲しいと。
金銭的にもそうだけど色々と父と母にも負担をかける事になるんだけど、私ちょっと結婚を躊躇しかけてて、、、。どうしたらいいかと。
結婚はしたいけど迷惑はかけたくないから。』
父⚪︎『結納?お寺って所はやっぱり時代に関係なくそういう感じなんだな。
俺は必要ないと思うけれど......
でも〇〇は彼と結婚したいんだろ?
好きな相手がやりたい事ならば応援してやるのが嫁の勤めだろう。
いいじゃないか!お金の事は心配しなくていい。
これから先も他人に迷惑かけるような悪い事でなければ彼のやりたい事には黙ってついていきなさい。
彼は芯のある強い成年だし私はとても期待しているんだよ。
こんな事で悩まなくていい。私達は大丈夫だ。
お母さんにもそう伝えるから、今度着物やらも揃えてきなさい。』
っと意外な回答がサッと返ってきたのでビックリしたのを今でも覚えています。
私の父は
1年に1回の事や一生に1回の事は気合い入れてやらんでいい、って言う人。
だから子供の誕生日パーティーとかをする事もなく、お正月とかも特別な事はしないで普段と変わらない生活。でもお葬儀だけはちゃんと出てたかな、多分(笑)
そこにお金をかけるなら普段をその分で
優雅な生活がしたいって人だったので、
結納なんて絶対やらなくていいって
彼に言いに行くんじゃないかって思ってました。
父⚪︎ 『俺はね、仕事が忙しくてお前達に(姉がいます)何もしてあげられなかった。不自由な生活だけはどうしてもさせたくなかったからな。
本当はな、もっと一緒に遊んでやりたかったし、ゆっくり話しもしたかった。
だからちょっと後悔しているんだ。お前が幸せになるならこれからはできる事はしてやりたいんだよ。』と。
初めて聞いた、父の本音。
いつの時代も親って本当凄いですね。
私は父のようにきっと我慢してまで頑張れない。不自由でも子供との時間を作る選択をする。
今の時代ならもう少し選べただろうけど
その頃はきっとどこの父親もこんな感じだったんだろうなぁ。
あんなにそっけなくいつも忙しくしてて
一緒にいた記憶がない父だったけど、
そんな風に思ってたなんて思いもしなかった。
もちろん不自由と思った事は一度もない。
それなのに私は自分が嫌われていると思っていたから自分から話そうともしなかったし、なるべく会わないようにしてきました。
本当に情けない。
少しも察する事ができなかった。
この時から私は父とは今までの時間を取り戻すかのように仲良くなって行きます。
そして私はもう何があっても揺るがないと決めました。
後日、結納の準備ができるお店を探し
(家の近くに古いお店が一件あった!)
着物やタンスなど色々買い揃えてる中、
外で食事をしながら両親達の初顔合わせが行われました。
親同士は問題なく仲良くなり、
特に父同士は意気投合してました。
そしてその後にお寺に行き中を見学。
両親はあまりにも畑違いの所に行くって事をひしひしと感じたようですが、でもこんな立派な所に嫁がせてもらえるのだから頑張りなさいと、そして喜んでもいました。
その時彼の母に
お寺の案内をされながらお嫁に来る前に
適度に取得しておいて欲しい事があるとサラッと言われました。
着付け (着物着る機会が沢山ある)
茶道 (来た人皆んなに抹茶をふるまう)
華道 (20ヶ所程華をたてる所がある)
書道 (御朱印、塔婆をかく)
英語 (海外の人もたくさん来るから)
料理 (来た人に料理をふるまう、毎日のお膳)
うーーーーーっマジですか?、、、Σ(゚д゚lll)
できるかっ?私に。ってかこれ全部?
和尚の妻ってみんなこんな感じでやるの?
(半分以上のお寺のお庫裡さんはやってないです)
和の世界にはほぼ関わったことがないのに
先に言って〜。
正座もまともにできませんが!!!(T_T)
(今でもできてません(笑))
なんかプレッシャーで変な汗かいてました……
彼もこれにはちょっと驚いたようだったけど
『こうきたか…』
と私をフォローする感じで
義母とゴタゴタ話してましたが
私はもう何があっても結婚するって決めたし、
親も私がもう少しまともな大人になってくれればと心配しながらも応援してくれるので
お寺の事を何も知らない負けず嫌いの私は
『 できるところまではやってみます!』
っとそう返事をしてしまいました。
(もう後には引けない〜。(@_@))
そこから花嫁修行に専念する事に。(いまだに修行中ですが 笑)
とりあえず義理母より、
茶道は1番に覚えて欲しいとの事だったので着付けと茶道から習い始めました。
2ヶ月後に禅宗お坊さんが一生で1番大変で、
大事とされている『晋山式』( しんざんしき )
が行われる予定なので、それまでにとりあえず形だけでもと、、、。
私も婚約者として初めてのお寺行事に
参加する事になるのですが、
いろんな意味で
今までの人生で1番刺激を受けた
1日になるのです……
最後まで読んでもらってありがとうございます。
次回は
恐るべし縦社会
『晋山式』の様子を書きますね~!
感謝
合掌🙏🏻