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ローストのフレーバー。
コーヒー関係者でもこの「ローストのフレーバー」という言葉を使う人は少ない。
だけれど、この「ローストのフレーバー」を認識出来ないことには、ローストにて思い描く味づくりは出来ないことを知っている。
それほどまでにコーヒー焙煎士にとって重要なものであると認識をしている。
そして、この「ローストのフレーバー」の認識には段階がある。
その理解を一段階ずつ上がることで、「ローストのフレーバー」はコーヒー豆と結合しやすいフレーバーの存在を認識し、それをローストにてコントロールする技術を身につけることができるようになる。
それらのフレーバーを認識するためには、フレーバーの景色が見えるようになることが求められていて、そしてカテゴライズが出来るようになることで、ローストのフレーバーは認識することが可能になる。
ローストのフレーバーは単純で、ローストにより熱量が多く与えられるとローストのフレーバーは透明度を無くす。
ローストのフレーバーは甘さでもあるため、甘さを強く求めるローストをすると、フレーバーは濁り液体の質感(触覚の質感)も悪くなる。
ゆえに、液体の良質さを求めるローストの甘さを登場させるためには、ローストのフレーバーの透明度が求められる。
ローストのフレーバーが認識できない感覚では、当然ながらローストのフレーバーの透明度を導き出すローストはできない。
これが、ローストにおける感覚とフレーバーが繋がっているロジックである。
そして、どのような焙煎機であってもローストの透明度が導き出せる訳ではない。
そこに使用する焙煎機のスペックが求められ、焙煎機の特性という伝熱の配分率がローストのフレーバーと関係していることが、感覚で感じられることで、使用する焙煎機によって技法を使い分け、ローストにおける味づくりをコントロールすることが出来るようになる。
なので、ローストにおける狙って思い描く味づくりをするための出発点は、感覚にてカテゴリの異なるフレーバーを認識できることにあり、それらカテゴリの異なるフレーバーたちがローストによって結合している様子を感じられることで、どのようにしたならその結合の配分率をコントロールできるのかという技法の組み立て方をまずは論理的に、そして味を確認しながら次は感覚的にローストの設計図を構築することにあると思っている。
その出発点が、嗅覚でそれらを感じられるようになることにある。
良い焙煎士になるためには、そのために取り組まなければならないとボクは考え、現在も感覚にてより繊細なフレーバーの結合を感じられるようになるために取り組み続けていることは、ローストで美しさを表現したいためである。
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